Enterobacter cloacaeの院内感染追究のための疫学調査のマーカーとして, 小検査室でも実施可能な生物型別方法を研究した.本法はマロン酸, DL-3-ヒドロキシ酪酸, D-リンゴ酸, L-フェニルアラニン, L-オルニチン, プトレッシン, ズルシット, エスクリン, リクソースおよびD-アラビットの計10種類の炭素源利用テストに基づくもので, 数施設から収集したE. cloacae 151株を供試したところ, それらは71生物型に分けられ, しかも菌株の分散が特定の生物型に偏る傾向はみられなかった.用いたテストには再現性もあり, 我々の生物型別法は疫学調査に利用できると思われた.