2026 年 85 巻 4 号 p. 212-213
2026年7月18日(土),品川シーズンテラスカンファレンスホールにおいて,16時より2026年度日本めまい平衡医学会夏期セミナーを開催した。参加者は51名であり,耳鼻咽喉科医,脳外科医に加え理学療法士,言語聴覚士など多職種の参加が目立ち,めまい診療に対する関心の広がりが感じられた。
教育講演では,「良性発作性頭位めまい症(BPPV)について」をテーマに,大塚康司先生による「後半規管型BPPVについて」,小川恭生先生による「外側半規管型BPPVについて」,今井貴夫先生による「問診と検査の工夫およびBPPV非定型例について」の3講演が行われた。
前半では,後半規管型BPPVおよび外側半規管型BPPVの病態,診断および治療について体系的な解説が行われ,初学者にも理解しやすい内容であった。一方,今井先生の講演では,先生が開発された問診票を用いたスコアリングによるBPPVのスクリーニング法が紹介されたほか,偽前半規管型BPPVなどの非定型例の診断や,今井先生が考案したImai maneuverを用いて,疲労現象により消失した頭位眼振を再誘発する方法など,日常診療に直結する中・上級者向けの実践的な内容が紹介された。質疑応答は非常に活発で,予定時間を大幅に超過するほど多くの質問が寄せられ,参加者の関心の高さがうかがえた。
特別講演では,堤剛先生より「新しいVOG検査」と題し,民生用VRゴーグルFOVE0を応用したVOG検査機器の開発経緯,現状および今後の展望について講演が行われた。また,本機器の研究モジュールを用いた臨床研究として,PPPD患者における視線運動の特徴に関する最新の研究成果も紹介され,今後のめまい診療への応用が期待される内容であった。

なお,当初予定されていた本機器の機器展示は中止となり,実機を体験する機会が得られなかったことは残念であった。
本セミナーは,BPPV診療の基礎から応用,さらに最新のVOG技術まで幅広い内容を網羅した充実したプログラムとなり,参加者にとって有意義な学習と情報交換の場となった。
次年度の夏期セミナーは,「メニエール病」をテーマとして開催する予定である。
最後に,本セミナーの開催にあたりご尽力いただいた講師の先生方,担当理事の小川恭生先生,セミナー・講習会委員会委員長の大塚康司先生ならびに委員の先生方,関係各位,そしてご参加いただいた皆様に心より感謝申し上げます。