釣餌用に蓄養されていたスジエビに、節間部が発赤し短期間に死亡する病気がみられた。病エビからは一種のビブリオ属細菌が分離され、また、病エビにはエビノコバンの寄生が観察された。この分離菌を健康なスジエビの筋肉内にごく少量接種するか、もしくはエビノコバンの寄生を受けたスジエビの飼育水に菌を添加することにより、供試エビを容易に感染・発病させ得た。しかし、エビノコバンの寄生を受けていないスジエビに対しては飼育水に菌を添加しただけでは発病させることはできず、本病の感染発病にはエビノコバンの寄生が関与していると考えられた。