1993 年 28 巻 4 号 p. 177-180
高知県野見湾でParadeontacylixに感染したカンパチを検査した結果, P.grandispinusが優占種で, ほとんどが入鰓動脈に寄生していた。一方P.kampachiは性脈洞や心臓からも回収された。カンパチの鰓血管内の虫卵を0才の7月から2カ月毎に検査したところ, 卵は11月から蓄積し始めた。卵数は翌年3月まで増加し, その後減少した。野見湾の養殖カンパチを異なる時期に感染の起こらない水域に移動し, 感染の有無を調べた結果, 吸虫のカンパチへの侵入は9月に始まると推定された。