抄録
多剤耐性株を含むブリ類結節症起因菌 P. piscicida 68株に対する細胞壁合成阻害剤ホスホマイシン(FOM)の最小発育阻止濃度は, 1.56~3.13μg/ml あり, 最小殺菌濃度も同様の値であった. P. piscicida を実験感染させたブリに, FOMを混餌して, 0, 5, 10, 20, 30及び40mg/kg/の日の用量で感染1時間後より5日間経口投与した結果, 斃死率は, 60, 45, 45, 15, 5 および0%となり, 用量依存的に減少した. 以上の結果から, FOM は新しいブリ類結節症治療薬となりうることが示唆された.