魚病研究
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養殖ハマチに寄生する嚢虫に関する研究―XIV
卵,及び第1期幼生について
中島 健次江草 周三
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1972 年 7 巻 1 号 p. 1-5

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抄録

 Callotetrarhynchus nipponicaの受精卵を無菌海水中に置き,第1期幼生の孵化する経過とその形態を調べた。その結果は次のとおりである。1.海中産出された受精卵は大半が胞胚期のものであるが,一部に卵割卵や桑実卵もみられた。卵は沈降性である。2.産出後3日で卵内に6個の胚鉤を有する胚子が形成され,4~6日後に第1期幼生の孵化が行なわれた。3.孵化には光線が関与せず,10例の平均孵化率(7日後)は95.1%であった。4.第1期幼生は,六鉤幼虫の周囲を繊毛の密生した胚穀が包んでいる,いわゆるcoracidiumであり,遊出後,水面下に浮上して活発に繊毛を動かして遊泳する。

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