魚病研究
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メノマイシン(フラボフォスフォリポール)に関する研究 II
ウナギに長期投与した場合の腸内細菌,特にR因子による薬剤耐性菌の消長
畑井 喜司雄寺田 昌司青木 宙渡辺 力
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1973 年 7 巻 2 号 p. 109-114

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抄録
 1. フラボコルム・5G(メノマイシンを1kg中5g(力価)含む製剤)をメノマイシンとして0,0.5,5.0,50.0ppm含む各餌料をウナギに80日間連続投与し,最終日にウナギ腸管内における薬剤耐性菌,特にR因子保有菌の消長について検討した。2. メノマイシン50ppm投与区は他の区と比較してウナギ腸管内における生菌数の減少が認められた。3. 薬剤無添加平板およびCM添加平板で分離し,各投与区より均一に釣菌した計190株中,R因子保有株は8株であった。しかしながらTC添加平板で分離したコロニーのうち,各区より25株ずつ釣菌した100株中にはR因子保有株が64株検出された。4. しかもメノマイシンの投与量が増加するにしたがいR因子をもつ株数が減少する傾向がみられ,特に50ppm投与区は他区よりもR因子をもつ株が少なかった。5.ウナギにフラボコルム・5Gを80日間の連続投与しても,腸管内にメノマイシン耐性菌が増加した徴候は認められなかった。
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© 日本魚病学会
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