家族性腫瘍
Online ISSN : 2189-6674
Print ISSN : 1346-1052
特集 : 家族性乳癌研究の現況
術後乳癌患者を対象に行った家族性乳癌に関する意識調査
鈴木 明彦 木村 青史山本 隆木村 理
著者情報
ジャーナル オープンアクセス

2006 年 6 巻 1 号 p. 21-23

詳細
抄録
1999 年から2004 年に当科における術後乳癌患者135 例にアンケートを送り,回答があった86 例(回答率63.7%)を対象にして家族性乳癌についての意識調査を行った.[調査項目] 1.家族性乳癌を知っているか.家族性乳癌の可能性があると仮定した場合に,2.遺伝子検査を希望するか.3.予防的乳房切除,卵巣摘出を行うか.[結果]1.“家族性乳癌”の認知度は50%であり,その可能性がある場合,2.遺伝子検査は73.3%が希望した.3.予防的乳房切除を希望したのは0%,卵巣切除を希望したのは5.8%,抗エストロゲン剤による化学予防を希望したのは8.2%であり,ほとんどの患者は定期的検査での経過観察を希望した.アンケートの回答からは,遺伝子診断に対する不安の意見が多くみられ,被検者の不安をなくすような検査体制,フォローアップ体制づくり,家族性乳癌について地道に情報提供していく必要性が感じられた.
著者関連情報
© 2006 The Japanese Society for Familial Tumors
前の記事 次の記事
feedback
Top