日本消化器集団検診学会雑誌
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注腸X線検査における蠕動運動抑制を目的としたPeppermint混入法と芍薬甘草湯経口投与法の検討
西川 孝吉村 平井本 一郎酒井 秀精秋山 俊夫
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2003 年 41 巻 2 号 p. 170-176

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抄録
注腸X線検査時における蠕動運動の抑制を目的として, Peppermint混入法と葛薬甘草湯経口投与法の2法について比較検討を行った。バリウム内にPeppermint oil溶液を混入するPeppermint混入法の効果持続時間は5.01±1.96分 (M±SD) で, 最短2.5分, 最長10分であった。有薬甘草湯2.5g経口投与法の効果持続時間は8.9±3.48分 (M±SD), 最短4分, 最長13.5分であり症例別での個人差が大きかった。待薬甘草湯5.0g投与法は最短5分, 最長16分, 平均9.06±3.11分 (M±SD) で, 最も効果持続時間が長かった。Peppermint混入法はPeppermint oil溶液をバリウム造影剤に混入するため, 造影画像に与える影響が懸念されるが, 我々の評価ではX線画像に影響を及ぼすことはなかった。Peppermint混入法, 有薬甘草湯経口投与法の何れの方法においてもその蠕動運動抑制効果は十分であり, 注腸X線検査における前処置・前投薬として有用であった。
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