日本消化器集団検診学会雑誌
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スクリーニングTCSの効率的な実施法 (第2報)
鈴木 康元渡辺 豊
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2004 年 42 巻 2 号 p. 185-193

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抄録

浸潤癌をターゲットとしたスクリーニングTCS (以下, S-TCSと略す) の効率的な実施法については前稿1) で既に報告したが, 実施法の精度をより高めるため本稿では検討期間を1年延長してS-TCS の効率的な実施法について新たに検討を加え直すことにした。対象は, 1992年から1999年までに当センターで初めてS-TCSを受けた34,348例の中から発見された浸潤癌1,184例で, その結果,(1) 大腸癌を疑わせる症状のある症例については35歳以上の症例に最初のS-TCSを行うのが効率的,(2) S-TCSは1 回行うだけでも極めて高いスクリーニング効果が得られる,(3) 初回のS-TCSでm癌または腺腫が発見された場合は2回目のS-TCSは初回の3年後に行うのが効率的,(4) 初回のS-TCSでm癌または腺腫が発見されなかった場合は2回目のS-TCSは初回の5年後でも充分,(5) 3回目のS-TCSは当分の間必要ない, と考えられた。

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