日本消化器集団検診学会雑誌
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便潜血検査2日法と1日2個法による大腸がん検診の比較(第1報)
宮崎 博実岡本 公男長田 昭夫
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2005 年 43 巻 3 号 p. 354-359

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抄録
我々は, 平成15年度より全国に先駆けて, 大腸がん検診の便潜血検査を同一便より2個採便する1 日2個法を実施している。従来の2日法と1日2個法について比較検討した。その結果, 1日2個法は2日法と比べ,(1) がん発見率が高い傾向であった。(2) 2検体提出率が有意に高く, コンプライアンスが向上した。(3) 1日の採便で済むため, 簡便で楽であり, 検診受診者の増加が予想される。また, 検体の保存の問題や日数経過による便付着ヘモグロビン (Hb) 残存率低下の問題が解消される。以上の結果から, 1日2個法は大腸がん検診の精度向上を図る簡便で優れた方法であると考えられる。ただし, まだ一年間の比較であり, 多くのデータを積み重ねて, さらなる検討を要すると考えている。
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