民族衛生
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身長, 體重及び所謂充實係数 (Rohrer) を通じて見た發育の經過に就て
猪飼 遠夫石川 康大川 眞澄
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1944 年 12 巻 5 号 p. 281-289

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抄録

名古屋及び佐倉地方の學齢期より中等學校卒業までの發育經過を調査して表及び圖に示した。又その結果を槍討して次の事柄を知つた。
A. 兩地方の等しい点
(1) 身長體重は近年に至る程堆大の傾向を示しゐる。
(2) Rohrer指数から見れば男女の差異は12~13歳頃から表れ, 女子は急激にズングリ型となる。但し文部省年齢で言ふ。
(3) 標準偏差から見ても思春期始まりは12~13歳よりおそくない。
8.差異としては
(1) 名古屋の方が近年に至る程, 體重壌加の傾向は激しい。
(2) Rohrer指数によれば名古屋の方がヤセギスである
。文思春期が早まつてゐる。
(3) 標準偏差からも同樣に言ひ得る。
以上より身長體重の發育に年次的變遷があり近年に至る程ヤセギス化の傾向を見るが, これは必しも悪い傾向ではない。

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