植物工場学会誌
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CattleyaおよびCymbidiumの交配種における温度が茎葉の養分含有率および開花に及ぼす影響
李 進才趙習 コウ松井 鋳一郎
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2001 年 13 巻 2 号 p. 85-90

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抄録
花芽発達期の11月5日から低温 (一日中8~28℃), 中温 (15~30℃) および高温 (20~32℃) に設定したハウス内のフレームで、Brassolaeliocattleya Chian-Tzy Emperor 'CT-Golden Sun'とCymbidium Sazanami ' Harunoumi'を栽培し, 温度がバルブと葉の養分含有率, 開花期および花の品質に及ぼす影響を調べた.
栽培120日後, 中温区に比べ, Blc. Chian-Tzy Emperorのバルブでは低温区の乾物率が, また高温区の乾物率, 可溶性糖とデンプン含有率が低下した.葉では低温区, 特に高温区は乾物率および可溶性糖, デンプン, 灰分の含有率ともに低下し, タンパク質含有率の低下は高温区でみられた.Cym. Sazanamiではバルブ, 葉とも可溶性糖とデンプンの含有率は低温区で増加, 高温区で低下がみられたが, 乾物率, タンパク質と灰分含有率は温度による影響が少なかった.CattleyaCymbidiumの養分含有率を比較すると, 前者のデンプン, 蛋白質, 粗灰分の含有率が高く, 栽培温度による各養分の変動が大きかった.
両植物とも, 開花期が花芽発達期の温度に強く影響され, 低温区は中温区より1か月遅れ, 高温区は逆に1か月早まった.花持ち, 花径および新鮮重からみた花の品質は中温区が最も優れたが, その乾物率, 可溶性糖, タンパク質および灰分の含有率は低温区や高温区との間に有意な差が認められなかった.
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© 日本生物環境工学会
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