1996 年 8 巻 4 号 p. 219-227
1. 本研究は果菜の等級選別のために, 機能性に優れ, 複数品目の果菜にも対応可能な汎用的選別システムを開発するもので, 第一段階としてマシンビジョンによる画像処理技術と階層型ニューラルネットワーク理論を導入した果菜の形状判定に関する基本的研究を行った.
2. 果菜の形状判定は定形である工業製品の形状判定に比べて, あいまいさがみられることから困難である.よって, マシンビジョンによって適切な判定をするには果菜の形状特徴の表現法が重要な要素となる.
3. 本研究では果菜の形状特徴は太さ, 長さ, 曲りの三要素で表現することを提案し, その選別評価として, 階層型ニューラルネットワーク理論を使った選別システムソフトウェアと選別システムを構築した.
4. 研究の第一歩として, 果菜の太さ, 長さおよび曲りを表現できる階層型ニューラルネットワークによる果菜の形状特徴抽出法と特徴量を導入した.
5. 作成したソフトウェアを検証するために, 学習と判定のシミュレーションを行い, 学習が成功したことを確認した.これにより, 果菜の等級選別システムの自動化の可能性を認めた