植物工場学会誌
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マシンビジョンによる果菜の等級判定に関する研究 (第3報)
階層型ニューラルネットワークによるピーマンの形状判定
曹 其新永田 雅輝
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1997 年 9 巻 1 号 p. 49-59

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抄録

本報はピーマンの選別システムにおける形状判定の基礎研究として, 前報で開発したマシンビジョンシステムによるピーマンの形状判定を試みた.形状判定実験の結果, 以下の所見を得た.
1.第2報のイチゴで適用した果実の太さ, 長さ, 曲がりの他に, 尖りおよび変形を表現できる要素を加えて, ピーマンのための三種類の形状特徴抽出法を提案し, それぞれの判定ソフトウェアを作成した.
2.階層型ニューラルネットワークのみによる形状判定法と, 二値論理と階層型ニューラルネットワークを組み合わせた形状判定法とにおける判定精度を比較してみると, A等級については, 両者とも94%以上の一致率を得たが, B等級については, 前者では約18~55%と低い一致率であったのに対して, 後者では48~74%となり, 20%程度の一致率の向上を得た.よって, ピーマンの形状判定には階層型ニューラルネットワークのみによる判定法より, 組み合わせによる判定法が有利であることが判った.なお, B等級の判定では, さらに有効なアルゴリズムの導入が必要であることを認めた.
3.画像入力の傾き程度は, A等級については左右9度以内までは判定に誤差が出なかった.

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