2015 年 16 巻 1 号 p. 105-114
政府の成長戦略等で女性活躍推進の重要性が強調されるなか,企業においても女性活躍推進の取組が広がっている。企業が自社の女性社員の活躍推進政策を検討するに当たっては,これまでどのような取組が行われてきたのかを理解しておくことが重要である。
そこで本稿では,男女雇用機会均等法が施行された1986年以降を,「第一の時代」(1986年~1999年),「第二の時代」(2000年代),「第三の時代」(2010年代)に区分し,それぞれの時代ごとに企業の事例を整理し,その背景や特徴について考察した。
企業における女性活躍推進は,第一の時代は法対応,第二の時代は少子化対応というように,それぞれの時代背景を色濃く反映した結果,課題発見を改善につなげる連続的取組が必ずしもなされてこなかったが,第三の時代に入って,ようやく両立支援と均等推進の効果的な連動が模索されるようになってきた。
今後,女性の活躍を真に実現させるためには,企業が経営戦略として女性活躍推進の重要性を理解し,長期的な観点に立って,主体的かつ持続的な取組を行う必要がある。