日本労務学会誌
Online ISSN : 2424-0788
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論文
人的資源管理に労働CSRを統合する方法の考察 ―コーポレート・レピュテーションの醸成に着目して―
矢野 良太
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2016 年 17 巻 1 号 p. 4-18

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ABSTRACT

This paper has revealed that why the company can earn a good reputation through addressing labor CSR (Corporate Social Responsibility) and examined the direction to integrate labor CSR into human resource management (HRM).

Today, labor CSR has been addressed by many companies. As a result of that, the information about how employees are working in the company is exposed to society widely. Stakeholders use all of this information to compare one company with another. Hence, this information may make strong or weak competitiveness between the companies.

Corporate reputation (CR) is the important concept which improves not only the competitiveness gains from the stakeholder's evaluation regarding the company but the corporate financial performance with labor CSR also. Thus, this paper revealed that how labor CSR contributes to improve the CR.

In addition, this paper provides the direction which integrates labor CSR into HRM from the viewpoint of CR because labor CSR can be seen as a concept which asks about their HRM whether socially responsible or not.

In order to deal with the above purpose, first of all, it has been discussed CR. CR is created by stakeholders' through evaluating about the company. CR affects one's behavior positively or negatively. Also, CR is a management resource which contributes sustained competitive advantage to the company which has a better reputation than other companies from the resource-based view.

In the second, this paper revealed that three elements in relation to why labor CSR improve CR. The first one is that problem addressed by the company as labor CSR is fitted in management. The second element is the stakeholders' better evaluation to labor CSR of the company. The third one is that addressing labor CSR on their own and in advance of the competitors but not imitating them.

Finally, the direction to integrate labor CSR into HRM from the viewpoint of CR is suggested. The direction consists of two aspects, which are defensive and offensive actions. The former is labor law compliance. It prevents the company from the declining of its CR. And the latter is that direction to integrate the challenges which have been addressed by the company as labor CSR into Human Resource (HR) policy to fit the action of labor CSR in management and ensure consistency of HR policy and HR practice, which is the same as the action of labor CSR.

1. はじめに

本論文は,企業の社会的責任(Corporate Social Responsibility, 以下,CSR)の労働分野である労働CSRが,ステークホルダー1から得られる評価の蓄積で生じるコーポレート・レピュテーション(Corporate Reputation, 以下,CR)2という経営資源をなぜ醸成するのか明らかにし,労働CSRと同じく人的資源を対象とする人的資源管理(Human Resource Management, 以下,HRM)に労働CSRをどう統合するかの検討を行う研究である。

CSRとは,「法令遵守を徹底したうえで,それぞれの企業が経営活動において自主的に社会に対する課題を考え,それに責任を持って取り組むと共に説明すること」(矢野,2012,55ページ)であり,労働CSRはこれの労働分野となる(稲上,2007)。その具体的な取り組み内容は,私生活との両立が可能な環境の整備,安心して働ける安全な環境の整備,企業における教育,公平な雇用・労働,雇用の保障と,大きく分けて5つに分類が出来る(矢野,2012)。

労働CSRの重要性は,企業の行動によって社会に対して悪影響を及ぼす労働問題が発生し,それに起因して社会の持続可能性が低下すると懸念されていることによる。また,CSRは企業経営全体で捉えることが必要なため,労働CSRに取り組むことは日常的な企業内での労働のあり方3が問われることになり,言い換えれば,社会的に責任ある方法でHRMを行うことが問われることとなる(矢野,2013)。

今日,多くの企業がCSRに取り組んでおり,2007年に全上場企業を対象に行われた調査(労働政策研究・研修機構,2009)では,94.9%の企業がCSRに取り組んでいると答えている。また,そのうち,男女間の機会均等や社員の育児・介護への配慮といった労働CSRの領域にも取り組む企業はそれぞれ68.9%,63.3%と半数を超えている。加えて,定義で示したようにCSRには説明責任を果たすことも含まれている。現に,日経225選定企業のうちCSR報告書を発行している企業は210社と93%にのぼり,この値は本調査に記載されている2011年以降,増加傾向にある(KPMG,2014)。つまり,労働CSRへの取り組みが進むに連れて,企業内の労働のあり方が企業外部に公になりつつある。

こうしたCSR報告書を読む人は多い。生活者に対して行われた調査(経済広報センター,2010)によると,2009年度時点でCSR報告書を読んだことがある人は半数を超えている。また同調査では,CSR報告書を読んだ人は,その企業に対する興味や関心,信頼などに変化が起きていることが示されており,CSR報告書の発行が人々による企業への評価に影響をもたらしていると考えられる。

加えて,情報公開が進展することは,ステークホルダーによって企業内の労働のあり方に関する情報について他社と比較されることにも繋がる。実際,CSR情報をもとにした岸本(2013)による有給休暇の取得率ランキングといったものも存在するし,各社のCSR報告書を入手すれば今までよりも多くの面で企業間比較が可能になる。そうすると,労働のあり方が企業を評価する指標にもされ,その評価次第では企業批判の的になるというリスクを生むことも,企業の強みになることも考えられる。このように,ステークホルダーの評価が企業の競争力に作用するようになりつつあることから,評価の蓄積であるCRという経営資源が重要となる。

また,労働CSRを議論する場合,それが企業の財務業績(Corporate Financial Performance,以下,CFP)を高めるように考慮することが必要となる。企業にとって労働CSRの取り組みが利益にならないのであれば,利益を度外視してでも取り組んでいた企業は,取り組む余力がなくなれば取り組みを止めるだろう。また,経営者が自らの規範的価値観から企業として労働CSRに取り組むことも考えられるが,CFPに負の影響を及ぼすとわかっている意思決定を行うと確信することは難しい(Branco andRodrigues, 2006)。そのため,労働CSRの継続的な取り組みを考えるのであれば,その取り組みがCFPを高めることが必要になる。

今日,企業によるCSRの取り組みは,CFPを高めるという考え方が一般的になりつつあり(加賀田,2008),その根拠として多く用いられるOrlitzky et al.(2003)の研究4は,企業の社会的業績(Corporate Social Performance,CSP)とCFPの間には正の相関があることを明示したうえで,その相関で重要な介在物となるのがCRであると明らかにした。このように,CSRへの取り組みをCFPに結びつけるためにも,CFPを高める役割を果たすCRをCSRへの取り組みを通して高めることが重要となる。

そこで,本論文では,CSRとCRに関する研究を労働CSRに応用することで,なぜ労働CSRはCRを高めると考えられるのか明らかにする。そして,前述したように,労働CSRは労働のあり方を問う概念であり,それに取り組むということは社会的に責任ある方法で人的資源管理を行うことに繋がることから,企業がCRを意識して労働CSRに取り組む際にどのようにして労働CSRをHRMに統合すればよいか検討する。

本論文の構成は以下の通りである。まず先行研究から,第2節においてCRとはどのようなもので,その重要性とは何か,そしてなぜCRという概念を用いるのかを述べた後に,第3節では,なぜ労働CSRの取り組みがCRを高めるのか検討する。それらを踏まえたうえで,第4節にてCRを高めることを前提に,労働CSRをどのようにHRMに統合していくかを検討する。最後に第5節では本論文の結論を示すとともに今後の研究課題をあげる。

2. コーポレート・レピュテーションとは何か

本節では先行研究を検討することでCRとはどのような概念か説明し,なぜCRの重要性が高いのかを競争優位との関係性を示すことで表す。そして,なぜ本研究でCRを用いるのか述べる。

2-1. CRとは

CRの定義は多々あるが,Fombrun(1996)による「重要な構成員(constituents)のすべてに対して,他の主要な競争相手との比較で企業の全般的な訴求を表す会社の過去の行為または将来の期待についての概念上の標章である」(p.72,邦訳は櫻井,2011,44ページ)という定義5や,櫻井(2005)による「経営者および従業員による過去の行為の結果,および現在と将来の予測情報をもとに,企業を取り巻くさまざまなステークホルダーから導かれる持続可能な(sustainable)競争優位」(1ページ)という定義6が多く用いられている。そして,CRはステークホルダーによる企業に対する評価の蓄積である(Fombrun and Shanley, 1990)といわれている。これらから,企業による過去・現在・将来の行動に対するステークホルダーの評価から生まれるものがCRであり,CRは他社との比較に用いられると捉えることが出来る。

そして,CRは人々の購買や投資,就職に関する決定に影響を与える(Fombrun and VanRiel, 2004)。例えば求職者の場合,求職者は企業に関する情報を十分に持っておらず,情報の不十分な部分についてCRをもとに判断しようとするため,高いCRを持つ企業はさまざまな情報について良い方向で解釈され,より多くの求職者を集めることが出来る(Turban and Cable, 2003; 林,2008)。Turban and Greening(1997)も,情報の不完全性を前提とし,CRが求職時の行動に影響を与えると仮説を立て,それを実証している。同様に,購買時や投資時においても高いCRを持つ企業は,不足する情報について良く解釈され,選ばれやすくなるといえる。このように,CRは情報の不完全性のもとで判断基準として働く(林,2000)といわれる。

このようにCRはステークホルダーの行動に影響を与えるが,CRには負の側面もあり,必ずしもCFPに良い影響を与える経営資源であるとは限らないことに注意が必要である。経営者の反社会的行為や事故により,負のCRが蓄積されると,最悪の場合,企業は倒産の危機に陥る(櫻井,2011)。つまり,一般的に評判が良いという表現と評判が悪いという表現の2通りあるように,CRの蓄積は必ずしも良い意味だけではなく悪い意味でも起こり得るのである。先に述べた例では,高いCRがあればさまざまな情報について良い方向に解釈されると述べたが,逆にCRが低い場合には悪い方向に解釈され,ステークホルダーから避けられる結果を招く。

以上,本項で記したことをまとめると,CRとは企業に関する多様なシグナルに対するステークホルダーの評価の蓄積であり,人々の行動はCRによって影響されるが,CRには負の側面もある。次に,そのCRの経営資源としての重要性を競争優位との関係を見ながら示していく。

2-2. CRの重要性

今日,経営資源の中でも有形資産に比べて摸倣がより困難である無形資産の重要性が強調されており7,CRもその無形資産の1つとして捉えられている8。そして,CRに対して資源ベース理論(Resource Based View, 以下,RBV)を用いることで,CRは企業に競争優位をもたらす資源であり,企業はCSRに取り組むことで良いCRを生み,競争優位を獲得できると考えられる(Branco and Rodrigues, 2006; 加賀田,2008)。

一般に経営戦略論では,企業の競争優位の要因は,企業の位置する環境の優位性に求めるポジショニングベースと,企業の持つ経営資源に求める資源ベースのどちらかの考え方に求められる(Barney, 1991; Barney and Clark, 2007; 青島・加藤,2012)。CRが企業の位置している環境を変化させるとは考えられず,CRによる競争優位を考える場合,それを経営資源として扱う資源ベースの考え方を採用するのが自然であろう。また,RBVを用いれば,3-2で検討するように,どのような条件下でCRが競争優位をもたらすか明らかになるため,どうCRを醸成すれば良いか示すことが出来る。

RBVにおいて競争優位の源泉となる経営資源の特性を明らかにしたBarney(1991)は,CRは持続的競争優位の源泉となるための価値があり希少で模倣困難かつ代替困難であるという条件を満たすため,持続的競争優位の源泉となると述べており,Branco and Rodrigues(2006)加賀田(2008)もこれと同意見を示している。競争優位を持つとは,競合相手よりも経済的価値9を生むこと,つまり,価格競争に突入しても利益を生み続けられることであり,そして,長期間続く競争優位が持続的競争優位である(Barney and Clark, 2007)。このことからすれば,CRは企業に持続的競争優位をもたらすということは,CRを活用すれば長期的にCFPを高めると言い換えることが出来よう。実際に,CRがCFPに与える影響を時系列で分析した研究(Roberts and Dowling, 2002)が,産業平均よりも高いCFPを生むとともに高いCRを持つ企業は優れたCFPを持続出来ることを明らかにした。

このように,CRにRBVを用いることでCRは持続的競争優位をもたらす重要な経営資源の1つであるとすることが出来るのである。

2-3. CRを用いる妥当性

では,労働CSRに取り組み,企業外部をも意識する際になぜCRという概念を用いるのか。労働CSRが企業内部のみならず企業外部にも与える影響を捉えるには,CRと類似するイメージやブランドといった概念を用いることでも説明出来そうである。しかし,イメージとブランド,CRの違いを考えるとCRを用いることの妥当性が理解出来る。

大柳(2006)は,ブランドとは当初は企業がステークホルダーに提案するもので,その後にステークホルダーとの相互作用により徐々に進化して強化されるものであり,イメージとは,ステークホルダーが受け取った情報を直接あるいは間接的に知覚した結果生じるもので,時間の経過とともに強化されたり変化したりするものであるという。当初は企業が発信したという点でブランドはある程度企業が主体となれるし,イメージも企業がステークホルダーに発信する情報を操作すればいくらかは操れそうである。しかし,大柳は,CRは企業が発信するブランドを強化したり無力化させたり,イメージの形成やイメージから行動に向かわせる際に影響したりするという。そのため,CRはイメージやブランドを企業にとって望ましいものとするために必要であり,それらよりも重要性が高い。

また,CSRがイメージやブランドではなくCRを高めると考えることは実際の企業活動を想像すると納得しやすい。CSRがイメージやブランドそのものになるということは考えられないが,CSRがイメージやブランドに影響を与えるCRを高めるということは容易に考えられるのである。例えば,ミネラルウォーターのボルヴィックが行う1ℓ for 10ℓと呼ばれるプログラム10は,井戸の採掘企業というイメージを形成する,あるいは井戸の採掘会社としてのブランドを確立するものではない。あくまでも水を売る会社というイメージを形成することを助けたり,ミネラルウォーターとしてのブランドを強化したり,それらによって水が売れるようにすることを助けるものである。これはまさにCRの役割と一致するものであり,CSRはCRを高めるものであることを示している。CSRからイメージやブランドへの影響は,あくまでもCRを介在しての影響と捉えることが一般的であろう。

このように,労働CSRに取り組むことでステークホルダーがどのように反応するか捉える場合,イメージやブランドといった概念ではなくCRを用いることが妥当となる。

3. 労働CSRはなぜCRを高めるのか

前節では,CRの概念とその重要性,それを本論文で用いる理由について述べた。次いで本節では,労働CSRがなぜCRを高めるのか明らかにする。

3-1. CRの構成と労働CSR

まずはCRが企業のどのような面に対する評価から醸成されるのか見ることで,高いCRを得るにはどの要素が重要になるのか整理する。

Fombrun and Van Riel(2004)はアメリカで行われたデータを用いて,CRを5%高めるには,製品とサービスのイメージを10%高めるか,社会的責任に対する認識を24%改善する,職場環境のイメージを26%良くする,財務業績の好感度を55%上げるかのいずれかを行う必要があると分析した。また,北見(2008)は,彼らと同じ分析手法を東京証券取引所に上場する企業を対象として行い,高いCRを構成する因子を,信頼のある製品・サービス(寄与率29.35%),市場における競争優位(寄与率24.17%),社会貢献・社会的責任(寄与率17.33%),職場環境(寄与率15.20%)と分析した。

この結果から企業が生む製品やサービスがCRを決めるのに最も重要であるが,社会的責任や職場環境もCRに対して重要な影響を与えることがわかる。労働CSRはCSRの一分野である以上,CSRがCRを構成するということは労働CSRもその一端を担っていると考えるのが自然であろう。そのうえ,職場環境もCSRと並んでCRの重要な構成要素である。労働の場である職場の環境は労働CSRと密接な関係があることから,労働CSRの取り組みは,CRを構成するCSRと職場環境という2つの要素に作用する。そのため,労働CSRはCRを高めるための重要な役割を持っているといえる。

ではなぜ労働CSRはCRを高めるのだろうか。CRとはステークホルダーが企業に関するシグナルをどう評価したかという蓄積で生まれることからすると,社会的責任や職場環境がCRを構成する重要な要素であることは,それがステークホルダーの要求を満たすことによると思われる。

経済広報センター(2012)によると,雇用の維持・創出を行うことが重要であるという認識を企業に対して持つ人は非常に多い11。また,経済広報センター(2013)では,CSRの国際ガイドラインであるISO26000に含まれる7つの中核課題12のうち,今後企業がより一層力を入れて取り組むべきものはどれか尋ねたところ,2番目に労働慣行があげられている。このように,労働に関する事柄を重視することが実際に人々から求められていることを鑑みると,労働CSRに取り組むことはステークホルダーの要求を満たし,CRを高めることが出来ると考えられる。

これらをまとめると,高いCRを得るには商品やサービスといった企業経営のアウトプットの質が最も重要であるが,それに次いで労働CSRも重要である。そして,企業による労働CSRの取り組みはステークホルダーによって求められているためCRを高めるといえる。

3-2. 労働CSRによるCRの模倣困難性

労働CSRがCRの重要な構成要素であることがわかった。しかしながら,労働CSRが他社に比べて相対的に高いCRを生むことが出来るのか疑問が残る。CSRの目標である社会の持続的発展を達成するには,自社のみならず他社も同じように社会的責任ある行動を取ることが必要である。Vogel(2006)は,他社に対して自社のように責任ある行動を模倣させることがCSRでは推奨されており,すべての企業が責任ある行動を行うようになればCSRによって得ていた利益は少なくともその一部が消滅するだろうと指摘している。これを本研究に当てはめると,CSRの模倣は容易であり,CSRによる高いCRを真似することは可能で,CSRは他社と比べて相対的に高いCRを生むことは出来ないと受け止められる。これはRBVの観点からすれば摸倣可能ということになり,CSRによるCRの競争優位性は持続的ではない一時的なものとなる。

では,本当にCSRによるCRは模倣が容易なのであろうか。CSRの取り組みを各々の企業がどのように行っているかはオープン化されており,同じ取り組みを摸倣することが出来るという前提を置いたうえで検討した。その結果,以下2つの理由からCSRによって生じるCRの模倣は困難であり,Vogelの指摘のようにはならないと判断する。

第一に,CRが社会的に複雑であることによる。CRが高い企業のCSRの活動を摸倣することで自社のCRも高めようとする場合,摸倣対象の企業がどのCSR活動を行った結果,CRを高めることが出来たのか特定出来なければ,すべてのCSRの取り組みを摸倣する必要がある。CRとはステークホルダーによる評価の蓄積(Fombrun and Shanley, 1990; Fombrun, 1996)であり,様々なステークホルダーとの非公式的な社会関係によって生まれる(Barney, 1991)ことから,どのCSRの取り組みが高いCRを生んでいるのかを特定することは困難である。レピュテーションランキング上位に位置するAmazon.comやApple,The Walt Disney Companyといった企業(Harris Interactive, 2013)がどのようなCSRの取り組みを行ったかはCSR報告書を読めば理解が出来る。しかし,そうしたCSR活動がどのようにステークホルダーの評価に結びついたかまでは知ることが出来ないのである。そのため,高いCRを生むCSR活動を摸倣しようとしても,それがどのCSR活動なのか特定出来ないため容易に模倣出来ず,CSRによるCRの摸倣は困難なのである。

第二に,CRが歴史的条件に依存することによる。どのCSRの取り組みが高いCRを生んだか特定することが不可能であっても,全部のCSRの取り組みを摸倣すればCSRによって生じるCRの摸倣は可能であると思われるかもしれないが,その場合でもCRの摸倣は困難である。なぜならば,CRとはステークホルダーによる評価の蓄積であり,その時点のみの評価ではなく過去の評価によってもCRは左右される(Fombrun, 1996; 櫻井,2005)。実際,トヨタが持つ環境問題への先駆的な取り組みが生んだCRは,他社の追随を許さない強力な競争優位を生んでいる(加賀田,2007)といわれる。そのため,CSRの取り組みによってCRが高い企業を摸倣しようとする場合,完全に摸倣するためには同じだけCSRに取り組む時間が必要になる。ゆえに,すべてのCSR取り組みを摸倣しても,CSRによるCRを摸倣することは困難となる。

このことから,労働CSRによるCRもCSRの場合と同様に模倣は困難であり,労働CSRは他社と比べて相対的に高いCRを生み出し,CRを持続的競争優位の源泉とする一因となる。

3-3. 労働CSRがCRを高める場合とは

では,どのようなときに労働CSRは高いCRを生むのであろうか。ここまで述べてきたことをまとめ,その条件を以下の3つにまとめる。

1つ目の条件は,労働CSRで取り組む社会に対する課題を企業経営と一致したものにすることである。本論文の冒頭でも言及したが,CSRは経営活動そのものを問う概念であり,CSRに取り組むということは経営活動にCSRを組み込むこと(谷本,2006; 労働におけるCSRのあり方に関する研究会,2004)と考えられている。労働CSRはCSRの下位概念であるため,労働CSRでも企業経営を問い,経営活動に労働CSRを組み込むことが必要である。そして,3-1で触れたように企業経営のアウトプットやそれが生まれる過程がCRに大きく影響を与えることが明らかにされている。これらからすると,取り組む課題が経営と一致していないのであればそれは労働CSRの取り組みであるとはいえず,また,CRへの影響も大きくない。そこで,労働CSRで取り組む課題は企業経営そのものと一致したものにする必要がある。

2つ目の条件はステークホルダーから好評価を受けることである。3-1で述べたように,CRはステークホルダーによる企業に対する評価の蓄積で生まれ,ステークホルダーによる好意的な認識がレピュテーションを向上する(北見,2008)。社会的責任や職場環境がCRの重要な構成要素であり,そうした分野への取り組みが求められていても実際の企業の取り組みがステークホルダーに良い評価を受けなければCRは向上しない。後述するように企業が掲げる方針と実際の企業の行動の不一致が起こっている,あるいは,CSR報告書等を用いて企業外部に取り組みが公にされない場合や,CRを高めようとしてもCRを低下させる要因の方が強い場合など,労働CSRの取り組みが好評価を受けない可能性は大いに考えられる。そのため,企業による労働CSRの取り組みがステークホルダーによって好意的に受け止められることが労働CSRでCRを高めるための要件となる。

3つ目の条件は,独自性のある取り組みである。3-2において検討したように,第一に,どのCSR行動がCRを高めているのか特定することが困難であること,第二に,CRは評価の蓄積であるがために後発的に真似しても先に評価を蓄積し始めた企業よりも良い評価を蓄積することは困難であることから,CSRによるCRは模倣が困難である。第一の点は企業によって意図的に生み出せる模倣困難性ではないので,ここでは企業が意識して行える第二の点に焦点を絞る。労働CSRで相対的に高いCRを得ようとするならば,他社を真似するのではなく自らで何にどう取り組むかを決め,他社に先駆けて行動する必要がある。そこで独自性ある取り組みを行うことが条件となる。例えば,自社の位置する業界の特色や,業界内での自社の特有性を活かすことにより,独自性のある労働CSRの取り組みを行うことが可能になる。

以上のように,CRを高める労働CSRの取り組みとは,取り組む課題が企業経営と一致しており,取り組みがステークホルダーから好評価を受けるとともに,独自性のある取り組みが行われていることとまとめることが出来る。

4. 労働CSRを人的資源管理に統合する方法

前節まで,労働CSRの取り組みによる企業外部も含めた影響を捉えるためにCRという概念が重要であり,どのような場合に労働CSRがCRを高めるのか明らかにしてきた。本節ではそれらを前提とし,CRを意識して労働CSRに取り組むにあたり,労働CSRをどのようにHRMに統合していくかを検討する。ここでは,CSR実践に関して守りと攻めの取り組みという二分類を用いる論者13にしたがって論を進める。まず,CRを低下させるリスクを軽減するための取り組みを守りの取り組みとして述べた後に,CRを高めるための取り組みを攻めの取り組みとして示す。

4-1. 守りの取り組み

守りの取り組みとは基礎を固める取り組みを示す。守りと攻めの二分類を用いる論者の主張をまとめると,守りの取り組みには,リスクの回避や防止,法令遵守,信頼獲得を含む。これをCR醸成に用いると,主に法令遵守によってCRを低下させるようなリスクの回避や防止に取り組むことで信頼を得て,CRを高めるための基礎を作る取り組みとなる。

冒頭で示したCSRの定義でもわかるように,法令遵守はCSRに取り組む上での最低限の取り組みである。たとえCSRに法令遵守を含まないとする論者であっても,CSRに取り組むには法令遵守が果たされていることが前提となると考えている(矢野,2012)。守りの取り組みが基礎を固めるものであることからすれば,労働CSRで前提となる労働法遵守はまさに労働CSRの守りの取り組みといえる。なぜなら,労働CSRの最低限の取り組みが果たされていないにもかかわらず,他の取り組みを行っても本末転倒だからである。また,守りの取り組みにはリスク回避や防止,法令遵守,信頼獲得を含むとしたが,労働法の遵守は法令遵守という意味だけでなく,リスクの回避や防止,信頼獲得にも繋がるうえ,リスクの回避や防止,信頼獲得はどこまでやればそれが完遂出来るかという境界線を設けにくく際限がなくなってしまうが,労働法の遵守であれば完遂のための境界線が規定されているので際限なき取り組みとはならない。これらから,労働CSRの守りの取り組みとして最低限必要なことは労働法遵守となる。

この労働法遵守はCRの低下を招くレピュテーションリスクの低減にもなる。前述したように,CRには負のCRという側面もあり,CRが悪くなれば企業経営に対して負の影響を与える経営資源となる。この負のCRは「回復までに非常に長い時間を要する,持続的競争劣位」(加賀田,2008,50ページ)を招くことにもなる。そこで,CRを高めるにはCRが負のCRにならないようにレピュテーションリスクを低減する必要がある。法令遵守はレピュテーションリスクを犯す最も重大な領域の1つ(櫻井,2011)とされている。法律を犯した企業がそれによって評判を上げるということは考えられず,むしろ評判を落とすことになると考えられる。事実,櫻井(2011)は,CRを低下させた例として賃金不払い残業やスウェットショップ,セクハラといった問題を例示している。そこで,労働法の遵守はレピュテーションリスクの低減のために必要となる。

加えて,ブラック企業という言葉の広がりとインターネットの普及も労働法違反をレピュテーションリスクとして捉える必要性を高めている。今日ではブラック企業という言葉が広まりつつある。まだまだ学問的に確立された言葉とはいえないのであろうが,今野(2012)はブラック企業を一般的な意味として「違法な労働条件で若者を働かせる企業」(11ページ)と説明している。このブラック企業という言葉をレッテルのように貼られることは,ブラック企業であるというステークホルダーからの評価となり,その蓄積はCRを低下させる要因になり得るだろう。

また,クチコミサイトや掲示板,ブログなどの普及によってインターネットの影響力が増大していることによるレピュテーションリスクの増大(加賀田,2008)も考慮すると,労働法を犯していることがインターネットで広がることによってCRに影響する危険性は高い。誰でもインターネット上に情報を書くことができ,さらにそれを容易に検索し閲覧することが出来るということは,企業名で検索することでその企業が労働法を犯しているあるいは犯していたという情報を入手することが難しくはないということになる。

このようにブラック企業という言葉の広がりやインターネットによって情報が広まりやすい情勢は,労働法違反を中心とした労働面における負の評価の拡散を後押しする。負の評価が拡散されればCRの低下を招きやすいであろうため,レピュテーションリスクを低減する守りの取り組みとして労働法遵守に取り組む重要性が高まっている。これは,労働CSRの攻めの取り組みで競争優位を獲得しようとする企業のみならず,労働CSRでは競争優位を獲得しようとしないが,他のCSR分野で攻めの取り組みを行い,競争優位を獲得しようとする企業にとっても必要となる。もし,環境分野で競争優位を獲得しようとする企業が労働CSRの守りの取り組みを怠れば,せっかく高いCRを環境分野で築いても労働分野が原因となり,その高いCRは崩壊するだろう。HRMでは法律を守ることは当然の前提と考えられていると思われるが,改めて法令遵守に努めることが必要である。

4-2. 攻めの取り組み

守りの取り組みによってCRを低下させるレピュテーションリスクを低減したうえで,CRを高めるための攻めの取り組みに進む。攻めの取り組みとは,自ら設定した社会的課題に積極的に取り組むことで新たな社会的価値を創造するとともに企業の競争力を高めるものである。守りの取り組みとは違い,具体的にどのようなものを含むかはどの論者もあげておらず,取り組み事例があげられる程度に留まっている。これは,どの課題に取り組むかは各々の企業が自ら決めることがCSRであり攻めの取り組みの性質でもあることからすれば当然のことであろう。攻めの取り組みは企業の競争力を高めるものであり,高いCRは2-2で示したように競争力を高める経営資源である。そのため,労働CSRによってCRを高めることは,まさに労働CSRの攻めの取り組みということが出来る。

では,CRを高める攻めの取り組みはどのように行えば良いか。3-3において労働CSRでCRを高める条件を,取り組む課題が企業経営と一致しており,取り組みがステークホルダーから好評価を受けるとともに,独自性のある課題設定や取り組みが行われていることとまとめた。この3条件をもとに,労働CSRによるCRの醸成方法を探求すると,まずHR方針(policy)14に取り組む課題を組み込ませることが必要となる。

労働CSRで取り組む課題設定は,今あるHR方針に含まれる問題点を解決することで社会的に責任あるものにするか,現在のHR方針のままで取り組むことが出来る課題を模索するかのどちらかが相応しい。非正規雇用者が多い企業を例にして説明すると,前者であれば,非正規雇用中心とするHR方針がフリーター問題や貧困問題の原因だと判断し,非正規雇用中心という点を労働CSRで取り組む課題としてHR方針に含め,非正規雇用中心の方針を改めて正社員登用を積極的に行うという例があげられる。後者の場合は,非正規雇用中心というHR方針は短時間だけ働きたいという人の要求を満たしていると捉え,その方針をもとに取り組むことが出来ることを課題としてHR方針に組み込む。例えば,非正規雇用者だからといって容易に解雇しないようにする,残業がないように働かせることで私生活との両立をより保障するといったことがあげられる。イオンはダイバーシティの推進としてパートタイマーの機会均等推進に取り組むとともに,アルバイトから正社員への異動が可能な制度も整備している(イオン,201415。HR方針は変えずに,パートタイム労働者が多い企業ならではの問題点を労働CSRとして取り組む課題に策定している具体例といえる。このように,HR方針に労働CSRで取り組む課題を組み込んでいくことで,経営と一致した課題設定が出来る。

そして次に,HR方針と実際の取り組みとの一貫性が重要となる。なお,労働に関して社会的に責任を果たす方法は,現在あるいは潜在的な労働者に対してHR施策(practice)16を通じて行う以外に考えられないため,以下では労働CSRの取り組みとHR施策を同一のものとして扱う。ゆえに,以下ではHR方針とHR施策兼労働CSRの取り組みの一貫性が重要となる論拠を述べる。

HR方針と異なる労働CSRの取り組みを採用することは,企業のHRMに対する考え方と実際に行うHR施策に齟齬が生じることになり,高い評価は得られずCRは高まらない。例えば,HR方針は長期的視野で社会的責任を果たそうとするものであるにもかかわらず,現場では社会的責任を軽視して短期的効率性だけを重視したHR施策が導入されていれば労働者はその取り組みを好ましくは評価しないだろう。また,HR方針で女性労働を課題として設定しても,HR施策が男尊女卑を彷彿とさせるものであれば同じく好ましい評価は得られないであろう。そこで,CR醸成のためのHR施策兼労働CSRの取り組みはHR方針と一貫性を持たせる必要がある。事実,CSR報告書では方針に加え,取り組みの結果も提示することが多い。CRのランキング(Harris Interactive, 2013)で3位に位置するディズニーのCSR報告書(The WaltDisney Company, 2013)でも,労働CSRの取り組み方針とともにそれによる取り組みをどのように行い,結果としてどの程度その方針を成し遂げることが出来たかを示している。このことからも,やはり課題の策定に加えてその課題に対する取り組みも重要となることは明白である。

以上を図示したのが図1である。このように,HR方針に取り組む課題を組み込むこと,HR方針と実際の取り組みに一貫性を持たせることは,高いCRを得る条件にも合致する。そのため,CRを高めるという観点からは,上述のような労働CSRとHRMの統合の方法が妥当であると考えられる。

図1 HRMに労働CSRを統合する方法

5. むすび

冒頭で示したように,企業内部で人がどのような制度のもとでどのように働いているのかといった労働のあり方が企業外部に公にされてきている。これにより,労働のあり方が労働者や消費者,投資家など様々なステークホルダーによる評価の対象とされつつある。そこで,労働CSRに取り組むことによって労働のあり方がステークホルダーに高く評価され,企業の強みとすることが出来るようになる。本論文ではそれを説明する概念としてステークホルダーによる評価の蓄積であり,ステークホルダーの行動を左右する経営資源であるCRを用いた。そして,労働CSRがCRを高める条件を,取り組む課題が企業経営と一致しており,取り組みがステークホルダーから好評価を受けるとともに,独自性のある取り組みが行われていることとまとめた。そして,それを踏まえ,労働のあり方に対するステークホルダー間の評価を高め,CRを醸成し,企業に競争優位をもたらすことが出来るHRMへの労働CSRの統合方法として,HR方針に取り組む課題を組み込むこと,HR方針とHR施策・労働CSRの取り組みとの一貫性を持たせることが必要であると示した。

労働CSRに取り組む企業が多くなっている中,労働CSRに関する研究は主に財務業績などとの関係を示す統計的研究17が多い。また,日本においては,法学の領域において,企業に規制をかける制度として労働CSRを捉え,その制度としての効力や正当性を議論する研究18は盛んである。しかし,労働CSRが人的資源の扱い方を問う概念である以上,企業が労働CSRに取り組むということはHRMにも何らかの影響をもたらすと考えられる。そこで本論文は,労働CSRにおいて重要となるCRという観点からという限界はあるが,労働CSRとHRMの統合に向けた方法の示唆を行うという,労働CSRをHRMに関連付ける足掛かりとして貢献出来ただろう。

しかしながら,本論文には以下の限界点があり,さらなる研究課題が残っている。

まず,本論文では守りの取り組みとして目標設定しやすい法令遵守のみを捉えたが,櫻井(2011)が指摘するように偶発的な事象もレピュテーションリスクを生む。労働CSRであれば,リストラや雇用抑制といったものがそれに当てはまるだろう。たとえそれが法的に問題なくともCRを低下させるかもしれない。こうしたリスクまで懸念すると,守りの取り組みは際限がなくなってしまい,理論化は非常に困難である。しかし,レピュテーションリスクとして考えられる以上は守りの取り組みとして今後検討する必要がある。

次いで,労働CSRを踏まえたHRMに関するさらなる研究を行うことの必要性である。前述したように,多くの企業が労働CSRに取り組んでおり,HRMにも影響を与えていると考えられる。本論文では,企業が労働CSRに取り組むことで,企業内での労働のあり方が企業外部に公開されるようになっていることに着目し,CRを高めることを前提に労働CSRをどのようにHRMに統合させるかを示唆した。しかし,CRを高めること以外,特に労働CSRが直接の取り組みの対象とする労働者の職務態度を左右する組織コミットメントなどにも焦点を当てた場合についても検討し,よりHRMと労働CSRの関係についての研究を深めることが必要になる。

最後に,労働CSRが環境や消費者といった他のCSR領域と異なり,直接的な対象者が労働者であるという特徴が,労働CSRでCRを高め,競争優位を導くという過程において何か影響をもたらすのか検討する必要があると思われることである。例えば,労働面で批判を受けるもののそのほかの側面では好意的に評価をされる企業を想定した場合,顧客としては自らに直接的な影響があまり及ばない労働面での批判にあまり目を向けず,その結果,労働面での評判は顧客の意思決定にあまり影響しない可能性も考えられる。そこで,労働面とそれ以外でどのようにCR醸成やステークホルダーの意思決定に差異が生ずるか検討することが求められる。

【謝辞】

本論文の執筆にあたっては匿名レフリーの先生方から貴重なコメントを頂戴しました。ここに記して御礼申し上げます。

(筆者=関西大学大学院社会学研究科博士課程後期課程)

【注】
1  ステークホルダーとは「組織目標の達成に影響を及ぼすことが出来るあるいは影響を及ぼされる団体や個人」(Freeman, 2010, p.46)であり,日本ではステークホルダーとカタカナ表記される以外にも,利害関係者と訳されることもある(例えば,谷本,2006; 労働に関するCSR推進研究会,2008など)。代表的なステークホルダーとして消費者や労働者,株主,政府,地域社会,取引先などがあげられる。

2  Reputationの訳語として評判ではなくレピュテーションを用いる理由として,櫻井(2005)は,それに固有の意味を持たせるためと述べている。また,Fombrun and Van Riel(2004)の訳書における監訳者まえがきには,訳語として適切なものを検討した結果,原典との整合性からレピュテーションを用いたと書かれている。本論文でも,これらに則り,reputationの訳語としてレピュテーションを用いる。そして,会社に関するレピュテーションのことを,櫻井(2011)が示すように,コーポレート・レピュテーションとする。

3  企業による労働者の働かせ方,労働者による企業内での働き方の総称として労働のあり方という言葉を使う。

4  Branco and Rodrigues(2006), Surroca et al. (2010), 加賀田(2008)などがこの研究を取り上げている。

5  例えば,Brammer and Pavelin(2006)Roberts and Doling(2002)がこの定義を用いている。また,櫻井(2011)は,別の定義を新たに打ち出しているが,この定義も引用している。

6  例えば,加賀田(2008)北見(2008)など。

8  例えば,Fombrun(1996)櫻井(2005)など。

9  単なる利益(価格と費用の差)ではなく,商品の購入者が知覚した価値と費用の差が経済的価値である(Barney and Clark, 2007)。

10  ボルヴィックの水が1ℓ買われるごとに,マリ共和国において今後10年間に10ℓ供給出来る分の井戸作りとメンテナンスに必要な資金をユニセフへの寄付を通して行うプログラムである(キリンビバレッジ株式会社のウェブサイト)。

11  回答者中の45%が非常に重要であると答え,52%が重要であると答えた。逆に,あまり重要でないと答えた人は3%であり,重要ではないと答えた人は0%であった。

12  3つまでの複数回答で,最上位は公正な事業慣行(51%)であり,続いて労働慣行(49%),環境(44%),消費者課題(44%),人権(40%),組織統治(31%),コミュニティへの参画およびコミュニティの発展(13%)となった。

13  例えば,伊吹(2005)経済同友会(2007)谷本(2006)寺崎(2005)などが用いている。日本国外での文献ではあまり見かけないが,European Commission(2011)において類似した分類が用いられている。

14  企業や事業単位での意図をあらわす人事方針などのこと(西村,2013)。

15  こうした攻めの取り組みの結果,北見(2008)の調査などでイオンが高評判企業としてあげられることに繋がっていると思われる。

16  企業や事業単位内で行われる実際のプログラムやプロセス,技術のこと(西村,2013)。

18  例えば,小畑(2007)吾郷(2011)など。

【参考文献】
 
© 2018 Japan Society of Human Resource Management
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