日本労務学会誌
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イノベーション人材の要件抽出と評価・選抜活用
福谷 正信
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2017 年 18 巻 2 号 p. 18-29

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ABSTRACT

A management strategy of a Japanese company is development of creation technology and service. The role function of the key human resources who carry that is innovation.

I focus on the so-called innovation human resources who accomplished social change up to now and pick the important matter out through a test of the important matter of human resources.

Selection of a candidate who fits in with the important matter and the new personnel information system to utilize are built.

序 

急速な技術革新や国際化といった社会変革のなかで,日本企業は従前の追随型事業展開から,新規事業開発を戦略上の最優先課題に掲げてきているが,その克服は十分とは言えない。

欧米先進技術や製品・サービスの導入・改良から,世界初の独創技術・サービスの自主開発が希求されてきている。その社会変革や革新的技術開発を担う基幹人材の力量発揮がイノベーションの創出・推進に繋がる。

本研究は,非線形の革新(ブレークスルー)や画期的な新結合を成し遂げた,いわゆるイノベーション人材に焦点をあて,その人材要件の吟味を通じて,その要件を抽出する。その要件に適合する候補者の選抜や活用を図る人事データベースシステムを試作する。

なお,一般財団法人機械システム振興協会からの委託により一般社団法人研究産業・産業技術振興協会で実施した「対話型DB(データベース)システムを活用したイノベーション人材活用戦略の策定」事業(平成28年度)において,同振興協会の登録企業に対して,アンケート,ヒアリング,調査対象者抽出の協力をいただき,より実証的調査分析を試みたものである。

1. 先行研究

Bell D.(1995)は社会発展段階の比較から,脱工業社会のイノベーション人材を科学者,技術者,専門職に特定化し,工業社会において資本と労働がまさに社会変革の戦略資源であったように,彼らが知識と情報という社会変革の戦略資源を駆使する主役となること提言した。知識をつくり出す科学者やその応用をになう技術者や専門職などが新たな価値を創出し,社会に変化をもたらすことになる。経済社会の変貌するなかで,期待される職業特性を提示しているが,能力要件については示しているとは言えない。

産業構造の変化とともに,その主導人材の職種変容を示した調査研究として,ReichR.B.(中谷巌)(1991)が「シンボリック・アナリスト」の台頭を指摘している。職種分類を「生産サービス」「対人サービス」「シンボリック・サービス」に区分し,知識・情報化の進展にともない,付加価値を生み出す主要な職種として,シンボル分析サービスを担う科学者,技術者,専門職,プランナー,デザイナー,プロデューサーなどが台頭していくと指摘している。この分析もいわゆるイノベーション人材の職種形態を示した段階に留まっている1

Pelz D.C.and Andrews F.M.(1971)はイノベーターとして科学者の特性について,網羅的,精緻な実証研究であり,研究者の属性・態度や研究環境が研究業績にいかなる影響を与えたかを分析した。しかしながら,イノベーションプロセスとの関係分析がなく,一様ではないプロセスにおいて,求められる人材要件の明確性を欠いている。

福谷正信(2016)は,世界のフロントランナーとなった日本企業が,イノベーション人材としての研究開発技術者を「構想立案」型人材像と提起した。これは構想策定,研究開発提案,研究開発遂行,事業化といった研究開発フェーズのなかで,従来は研究開発提案と研究開発実施という2つのフェーズに分散されていたが,今後の革新的研究開発は,プロポーザル作成段階,とくに「商品コンセプトの創設」や「アイデアの創出・収集」を重視しようとしていることを示唆した。革新的な研究開発に対する主要な役割機能を明確にした。しかし,それを推進するイノベーション人材がいかなる要件であるか,かつ具体的な能力発揮条件も明らかにしていない2

本研究の課題は,イノベーションのプロセス活動内容とその程度・類型や分野に応じた「イノベーターの人材要件」の抽出方法と,その収集方法,および人事上の活用法を考察するものである。

2. イノベーションの人材要件の抽出

本抽出検討では,イノベーションの定義を「筋のいい技術を育てる」「市場への出口を作る(新製品や新サービスの提供)」ことによって「社会を動かす(社会生活の変革)」こと3とした。したがって,イノベーションは,大きく,「技術革新プロセス」「事業化プロセス」として把握される。「技術革新プロセス」「事業化プロセス」には,それぞれに固有に求められる人材要件が存在する。加えて,両プロセスを通じて「イノベーションのチームマネジメント」が行われるので,それに関わる人材要件が求められる。さらに,イノベーションプロセス全般に共通して求められる人材要件が存在する。

具体的には,技術革新の詳細プロセス(目標設定,仮説構築,実験・シミュレーション,評価・発見),事業化プロセス,チームマネジメントについて,イノベーターの人材要件抽出のための18事例(後掲:参考図表)から,プロセス(要件分野),人材要件とその概要を確定した4

以下にその一例を示す。事例研究から,技術革新の目標設定プロセスでの人材要件として,3つのカテゴリー「動機付け」「思考・行動様式」「知識・適応力」が抽出された(表1)。イノベーションに繋がる事業化プロセスにおける人材要件として,大きく2つのカテゴリー,「対外戦略」「対内戦略」が抽出された(表2)。イノベーションのチームマネジメントにおける人材要件として,大きく,「内部マネジメント」「交渉・説得力」「対外関係調整力」の3つのカテゴリーが抽出された(表3)。

加えて,プロセス横断的な人材要件として,幼少期の家庭環境,学生・青年時代の体験・交流,目的意識や価値観の原点,異質・辺境体験,専門知識獲得や複数メジャー,逆境体験を整理・体系化した。

ちなみに,先進企業の技術・製品を導入し,漸進的に改良していくビジネスモデルでは,当該事業の特定専門領域の深耕によって課題解決をしていく「穴堀り型」人材要件が重視されたが,今日のように,最先端の新技術・新製品サービスを開発していくには,特定分野の専門性を極めるとともに,大所高所から異なる専門領域を見渡し,複数専門分野を総合化できる「木登り型」人材要件が着目されなくてはならない5

また,一見すると矛盾するような人材要件を巧妙に編纂し,複合的に企画・デザイン化していくプロデューサー的なイノベーターの発掘や活用を断行すべきであろう。とくに事業化プロセスやチームマネジメントについて,それが切望される。

本抽出はモデルとなるイノベーション人材と実在者(候補者)の人材要件のデータベース化を想定し,その活用は人材採用,教育,プロジェクトメンバーの選定・編成などに有効であろう。

以上を踏まえて,モデルイノベーターの人材要件の検討結果を吟味して,共通要件を抽出・整理を行い,18項目のイノベーションの人材要件(表4)を得た6

表1 目標設定プロセスでの人材要件
表2 事業化プロセスでの人材要件
表3 チームマネジメントでの人材要件
表4 イノベーションの人材要件

3. イノベーション人材要件の「評価基準と評価方法」

3.1 評価基準

イノベーションの人材要件をモデルイノベーターや実社員について評価するために,評価基準を設定した。人材要件は,客観的かつ定量的に測定できるものではないため,評価基準の設定,評価には大きな困難がともなう7。それゆえに,何らかの評価基準による評価を開始し,①多数評価者による多面評価制度の結果の比較・調整,②評価結果とその後のイノベーション成果の比較検討などの広義のフィードバック・調整による評価基準の逐次改定,評価精度の向上を進める方法をとるべきであろう8。評価開始に用いる評価基準として,表5に示す基準を設定した。なお,ここでは,“独創性”を最も高く評価し,成果実現の速さや成果のレベルなどの“事業的な成果”は,若干,評価点を下げて設定した9

3.2 評価方法

上記の評価基準を用いた具体的な評価方法は以下のとおりである。

まず,実現されたイノベーションについて,上記の「人材要件の評価基準」に基づいて,そのイノベーションの成果に関する「成果評価」を行う。

その後,人材要件18項目の内,Ⅰ.チームマネジメント,Ⅱ.技術革新プロセス,Ⅲ.事業化プロセス,およびⅣ―1. 経営との関係,Ⅳ―3.専門知識形成の各項目については,原則として次のように評価する10

  • ① 成果評価のランクに直接的影響を与え,独創的な内容の場合は成果評価と同じ評価
  • ② 成果評価のランクに直接的影響を与えるが,非独創(一般)的内容の場合は,成果評価から0.3~0.5減じる評価
  • ③ 成果評価のランクに間接的影響を与えるのみと判断される場合は,成果評価から0.8以上減じる評価

さらに,人材要件18項目のうち,Ⅳ―2. 思考行動様式形成については,表6の基準に基づいて評価を行った。

以上の評価11を行った後,「対話型DB システムを活用したイノベーション人材活用戦略の策定委員会」のメンバーである「大手製造業の現役社員,同経験者,学識経験者ら」が評価結果を吟味し,調整・修正の上,評価結果を決定した。

表5 人材要件の評価基準
表6 思考・行動様式形成に関する評価基準

3.3 モデルイノベーターの評価結果

3.3.1 人材要件の評価結果

以上の方法によって,次の三者につき,イノベーション人材要件に関する評価を行った。

  • ① 製造業を中心とする日本の代表的モデルイノベーター18名
  • ② 日本のIT系若手モデルイノベーターおよび同候補10名
  • ③ 日本企業に在籍する/ した社員をモデルにした候補16名

3.3.2 システムによる「評価結果の見える化」とその活用

今次の開発システムは,上記評価結果を「見える化」する機能を有している。「見える化」の機能は主として次のとおりである。

  • ① 任意の人材要件によるソーティング(分類)・抽出
  • ② 任意の人材要件に関する一覧表・レーダーチャート表示

これらの機能によって達せられる目的は,人材要件による人材の特性確認,特性比較,人材抽出,組合せ検討などであり,人事実務では,採用,選抜,教育,育成方針の立案,チーム編成(リーダー,役割毎のメンバー選抜)に活用しうる。さらに,M&A(合併・買収)後の全社の人材状況の把握,本人によるキャリア構想・開発などに,活用範囲を拡大することができる。

以下,これらの内容を例示する。

  • (1) イノベーター特性の確認

図1は,代表的なモデルイノベーター2名の12要件をレーダーチャートに見える化したものである。大きな成果を上げたイノベーターは,技術革新プロセス,事業化プロセスに関する人材要件が共に高い評価を得ていることが確認できる。ただし,それらの能力(要件)の背景となると考えられる思考・行動様式形成については,結果としての能力に比べて,多様性があることが分かる。

  • (2) イノベーター特性の比較

図2は,モデルイノベーターと実社員の11要件をレーダーチャートに示したものである。この例では,モデルに比して,実社員は技術革新プロセス,事業化プロセスの要件の両面でも課題があるが,特にチームマネジメント力に大きな課題があることが分かる。これらの観点から,教育,育成方針の立案,実社員自身のキャリア構想・開発の課題が抽出される。

  • (3) イノベーターの抽出

図3は,モデルイノベーターを選択し,その人材要件11項目に近い実社員を抽出し,レーダーチャートに示したものである。

モデルイノベーターと各実社員の乖離の把握,および実社員同士の特質の比較検討により適切な実社員が抽出できる。

従来の「記憶と口コミ,若干の履歴データなどに頼った抽出」に比べ,本システム活用による人材抽出の大きな優位点は,モデルイノベーターを具体的に特定することであるといえよう。例えば技術革新のなかでも特に仮説構築に秀でるモデルを設定し,それに近い実社員を抽出するということが可能となる。従来の方法では以下の2点の懸念が指摘されてきた。

  • ① 偶発的にイノベーターの人材要件にあった人材を抽出した結果,その目的にそぐわない。
  • ② イノベーション全般に秀でるイノベーター(≒スーパーマン)を抽出しようとしてそれが叶わない。

といった問題が起こりがちであった。

それらを解消することができる。さらに,従来の評価・選抜の,記憶頼り,尺度化されない,直感頼りにともなう不正確をただすという精度向上が,本システムによる最も根本的な改善点である。

  • (4) イノベーターのモデルとの類似性抽出

図4は,実社員を選択し,その人材要件11項目に近いモデルを抽出し,レーダーチャートに示したものである。従来,こうした発想は想起されがたく,あまり検討されたことのない活用法である。しかし,実社員がいかなるイノベーターを目指しうるのかの指針を得ることが可能であろう。イノベーション人材の教育,育成方針の立案,自身によるキャリア構想・開発に新たな手法をもたらしうる。

図1 イノベーター特性の確認
図2 イノベーター特性の比較
図3 イノベーターの抽出
図4 イノベーターのモデルとの類似性抽出

4. 新人事データベースによる人材活用

4.1 全体最適化~人材情報の透明性と精緻化~

現在の日本の企業組織では,人材に関するデータの客観化,必要な範囲での情報共有が十分に行われているとは言い難い。人材情報は人事部署の専有事項であり,「人材情報の透明度が高まり,他部署に人材が流出することへの恐れ」などの,『部分最適』へのこだわりがその主要因であると思われる。

この不透明性は,本来の人事データベースの有効活用に関して,大きな阻害要因となる可能性が高い。これを低減するためには,経営トップが人的資本の活用による『全社最適』を優先して,人材情報の客観化と共有化を社内の大原則とする方針に変革する必要があろう。加えて,適正配置のための自己申告制や社内公募制の活用,中途採用・スカウトなどの自由度を高め,かつ阻害要因を取り除き(引き止め禁止など),人材情報の不透明性がメリットとならず,逆に客観化と共有化がメリットとなるように透明化する必要がある。

イノベーションが成功,活性化する,最も基本的な命題は,人材要件データの充実である。それがなければ,実践的な精度の高い活用が可能とならない。少数の,場合によっては特異的なデータに頼らざるを得なければ,データ活用の意味がなくなる。

また,単にデータ量の充実だけではなく,データ項目,収集方法などのデータの質的向上も求められる。これについても個別企業との連携を前提とした公的機関,学会,業界団体など公益団体による課題解決も求められよう。

かつて,人事情報システム「技術・人材マップ」においては,社内の研究開発技術者を,固有技術分野とその専門性尺度とのマトリクス枠に格付けして,組織と個人との双方に客観的な能力基準を明確化した12

今回の検討は研究開発プロセス以外の事業化やチームマネジメントや共通事項(学生時代・幼少時代の思考・行動形成や専門知識形成など)を人材要件分野に加え,幅広く,奥深く,「対話型DB(データベース)」を活用し,イノベーション推進の人材要件に拡充した。

4.2 評価と選抜・育成の公正性

人材要件の評価が,その評価の根拠,背景となる「キャリアデータ(教育履歴,組織履歴など)」と「業務データ(担当職務,プロジェクトなど)」,さらに人事評価データとあいまって,的確な人事評価・選抜などに活用できるものとなろう。

既存人事システムの連携や一体化,さらにその範囲・機能の拡大も必要となる。

人材要件の評価において,モデルイノベーターと従業員との比較から,人材の配置や選抜に信憑性を確保できるとともに,当該従業員に対する育成方針の立案やキャリア構想・開発方向などに,客観性と納得性が得られる。その結果,人事の公正性が確保される。

4.3 戦略的配置

企業環境の急速な変貌を背景に,人材の流動化が進み,組織の再編が繰り返される状況下では,人事部門専用の現在の人事情報では,戦略的な人事施策にはなり得ないことが明らかになった。過去情報を従業員一人一人が積極的に入力・開示し,入社前の情報も充実させながら,上司や同僚によって他者分析としての能力特性とも言うべき情報が補われた時,人材特性の傾向値が統計処理され,指標となって明示されることになる。

プロジェクトリーダーが新たな組織を編成する時,様々な条件で検索とシミュレーションを繰り返せる。成功や失敗などの実績,他に例を見ない経験や資格の保持など,個々人のもつ特性との組み合わせを経て,最強の組織を形成できる戦略的配置を期待したい。

人材データベースが充実されることで,イノベーション人材が輩出される要因の一端や,入社前後の経験の有効性など統計情報が充実され,公開されると,組織や企業,業界のもつ人材の特徴が明らかになり,組織の求める人材や強化すべきキャリア(能力要件),また採用や育成にも広く活用できる。

結語

継続的なイノベーションの創出が,現代企業の戦略展開である。イノベーションを基軸とする新規事業開発に挑戦する企業文化を構築する意思は,経営者からのメッセージが欠かせない。新製品・新サービスの提供を通じて,社会変革を主導する組織風土を醸成する先導的リーダーシップでもある。

欧米先進企業の追随型経営に成功した日本の組織が,その罠を脱却するには,最も保守的な経営資源である,人材に着目し,その認識・行動を変容させる組織文化の醸成が必至である。その契機は画期的な事業創造を通じて,現状を打破した先駆者であるイノベーターにその共通要件を冷静に分析し,そのモデルに接近できる可能性をもつ候補人材を発掘し,その能力を発揮しうる機会を提供し続けることであろう。その結果,保守的な組織風土の変革を推進することができる。

古来,鍛え上げられた伝統は,創造的革新を試行するなかから継承されてきた。より良き組織風土とは,例えば,触媒による化学反応を繰り返し,次世代に引き継がれ,初めて新次元が見えてくるものである。日本企業において,イノベーション人材を発掘し,新規事業へ挑戦させ,その果実を見出す人事情報システム「対話型DB(データベース)システム」を基盤とした,イノベーション人材活用戦略が進展することを期待したい。

【謝辞】

本研究は,一般財団法人機械システム振興協会からの委託により一般社団法人研究産業・産業技術振興協会で実施した「攻めの経営を支える業務システム構築に関する戦略策定」事業(平成27年度)と「対話型DB(データベース)システムを活用したイノベーション人材活用戦略の策定」事業(平成28年度)の内容に,筆者の責任において,追加考察,加除を行ったものである。両協会,本プロジェクト統括:大場善次郎東京大学名誉教授,委員会(委員長:志賀敏宏多摩大学教授)メンバー,および協会メンバー所属企業に心より深謝申しあげたい。

(筆者=立命館アジア太平洋大学名誉教授)

参考図表 イノベーターの人材要件抽出のための18事例

【注】
2  他には,山之内昭夫〔10〕宮下清〔11〕も言及している。

3  伊丹敬之〔12〕より,イノベーションの概念を従前の狭い技術革新から拡大し,事業化や社会変革を視野に入れた。

4  (一財)機械システム振興協会・(一社)研究産業・産業技術振興協会〔13〕であり,同協会「対話型DB(データベース)システムを活用したイノベーション人材活用戦略策定委員会」において,研究産業協会編『100人の技術者魂』他,ネットなどでの公開情報を分析した。

5  福谷正信〔14〕市川惇信〔15〕から命名した。また,榊原清則〔16〕が日本の組織内同形化を懸念し,今後の日本企業組織の異質化の必然性を問うている。

6  (一財)機械システム振興協会・(一社)研究産業・産業技術振興協会〔17〕であり,要件抽出は,大手製造業の現役社員,同経験者,学識経験者らが吟味・抽出した。

7  人材評価のあいまい性やその事由は,福谷正信〔9〕「第5章 専門能力の評価と処遇」が参考となる。人事評価やその報奨については,研究産業協会〔18〕石田英夫〔19〕の大量観察調査分析がその課題を抽出している。

8  評価制度の設計・運用に関する工夫については,福谷正信〔9〕「第6章 人材評価制度の再編」が参考となる。

9  評価基準については,IPA ITSS(IT スキル標準)を参考に,前掲委員会で議論し,ガイド案として決めた。業種・業務・企業によって,その項目や重み付けも変わるので,システムでは,項目,重みの追加,変更を可能にした。

10  人材要件評価を過大に分散させないために,段階範囲で決定した。ただし,必要に応じて,適宜例外の対応も行った。

11  なお,事例研究対象に例外的に少数含まれる技術革新と直結しない(ビジネスモデル)イノベーションについては,上述とは別に,ビジネスモデルの独自性,先行性などにより評価を試行的に行った。

12  福谷正信〔9〕,pp.158-161.

【引用文献】
  • [1]  D. Bell, The Impact of Intellectual Society,(山崎正和,林雄二郎ほか訳)『知識社会の衝撃』ティビーエス・ブリタニカ,p.55(1995).
  • [2]  R. B. Reich, The Work of Nations,Preparing Ourselves for 21st-Century Capitalism New York: Alfred & Knopf, Inc.,(中谷巌訳)『ザ・ワーク・オブ・ネーションズ』ダイヤモンド社,pp.240-241,pp.244-245(1991).
  • [3]  P. F. Drucker, Knowledge‐Worker Productivity: The Biggest Challenge California Management Review Vol.41, No.2, pp.83-84( winter 1999).
  • [4]  R. E. Kelley, The Gold-Collar Worker, Harnessing the Brainpower of the New Work Force, Reading, Massachusetts : Addison-Wesley Publishing CO. Inc.,(徳山二郎訳)『ゴールドカラー・ビジネスを動かす新人類たち』リクルート出版(1985).
  • [5]  生産性研究所,『ホワイトカラーの生産性向上のために』,社会経済生産性本部,pp.58-59(1995).
  • [6]  P. Cappelli, The New Deal at Work, Harvard College(1999)(若山由美訳)『雇用の未来』日本経済新聞社(2001).
  • [7]  T. H. Davenport and L. Prusak, Working Knowledge, Harvard College(1998)(梅本勝博訳)『ワーキング・ナレッジ』生産性出版(2000).
  • [8]  D. C. Pelz and F. M. Andrews, Scientists in Organizations-Productive Climate for Research and Development, John Wiley and Sons(1966)(兼子宙監訳)『創造の行動科学』ダイヤモンド社(1971).
  • [9]  福谷正信,『技術者人事論』,泉文堂,(2016).
  • [10]  山之内昭夫,『企業変革の技術マネジメント』,日本経済新聞社,pp.111-113(1986).
  • [11]  宮下 清,『組織内プロフェッショナル』,同友館,pp.153-156(2001).
  • [12]  伊丹敬之,『イノベーションを興す』,日本経済新聞社,pp.9-10(2009).
  • [13]  (一財)機械システム振興協会・(一社)研究産業・産業技術振興協会,『攻めの経営を支える業務システム構築に関する戦略策定 報告書』,p.127(2016).
  • [14]  福谷正信,「プロデューサー的イノベーション人材の育て方」,『人材教育』2016 年5 月,日本能率協会,p.31(2016).
  • [15]  市川惇信,『ブレークスルーのために』,オーム社,pp.85-86(1996).
  • [16]  榊原清則,『日本企業の研究開発マネジメント』,千倉書房(1995).
  • [17]  (一財)機械システム振興協会・(一社)研究産業・産業技術振興協会,『対話型DB(データベース)システムを活用したイノベーション人材活用戦略の策定 報告書』,p.68,(2017).
  • [18]  研究産業協会,『技術系人材の育成及び評価・処遇に関する調査』,(2005).
  • [19]  石田英夫編著,『研究開発人材のマネジメント』,慶應義塾大学出版会,(2002).
 
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