炎症
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好中球の顆粒内殺菌性物質デフェンシンの遺伝子の単離とその解析
長岡 功石原 典子染谷 明正岩淵 和久蓬田 伸山下 辰久
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1995 年 15 巻 1 号 p. 33-41

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抄録
本研究において, モルモットのデフェンシン (GNCP-1と-2) をコードするcDNAおよび遺伝子クローンの解析を行った.まず, cDNAを検索したところ, GNCP-1と-2をコードする3種類 (GNCP-1A, -Bと-2) のcDNAが得られ, それらの相同性が非常に高いことから (>99%) , GNCP-1と-2は相同性の高い異なる遺伝子によってコードされることが考えられた.実際, GNCPの遺伝子クローンを検索したところ, 四つのクローンが得られ, 二っはGNCP-1Aと一1Bを, また, 他の二つはGNCP-2をコードすることがわかった.また, サザンプロット解析の結果から, GNCP-1および-2をコードするクローンはそれぞれGNCP-1および-2遺伝子の対立遺伝子であることがわかった.さらに, GNCP遺伝子の5'上流領域約400bpをルシフェラーゼ遺伝子に組み込んでプロモーター活性を調べたところ, GNCP-1のほうがGNCP-2よりも強いプロモーター活性を示すことがわかった.以上の結果から, モルモットのデフェンシンGNCP-1と-2は相同性の高い異なる遺伝子によってコードされ, 両遺伝子の発現は転写レベルで異なる可能性が考えられた.
なお, 本研究の一部は文部省科学研究費補助金および日本私学振興財団の学術研究振興資金の援助により行われた.
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© 日本炎症・再生医学会
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