保険学雑誌
Online ISSN : 2185-5064
Print ISSN : 0387-2939
ISSN-L : 0387-2939
リスク転嫁に関する保険とERMの一考察
大城 裕二
著者情報
ジャーナル フリー

2007 年 2007 巻 598 号 p. 598_53-598_72

詳細
抄録

情報処理技術の進歩,グローバリゼーションの進展,規制緩和の進行等,経済社会の環境変化は構造的であり,企業活動の経営的関心においては,もはやリスクへの対応が不可避的視座となっている。大災害リスク,テロ・リスク,利率リスク等,伝統的保険手法によるリスク処理能力に限界性が指摘され,資本市場を糾合するリスク財務体系の開拓が飛躍的進歩を見せてきている。リスク財務の転嫁手法としては,保険が絶対的に有力視されてきたが,リスク環境動向を反映して,代替的リスク転嫁手法(ART)の開拓を中心に,財務統合的・総合的なリスク処理実践の展開が進行している。こうした斬新なリスク処理実践体系の代表的表現とされるERM は,リスク財務のリスク転嫁手法を有力な手法として開発させている。リスク転嫁の有力施策である保険は,ERM の展開においても基盤的施策として位置づけられる。

著者関連情報
© 2007 日本保険学会
前の記事 次の記事
feedback
Top