保険学雑誌
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「自由化後10年の検証」―平成20年度大会シンポジウム―
保険会社経営の健全性確保について
植村 信保
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2009 年 2009 巻 604 号 p. 604_61-604_74

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抄録

この10年間で保険会社経営の健全性を確保する枠組みは,いわゆる「護送船団」方式から,「自己規律」「行政による規律」「市場規律」の組み合わせへと大きく変わった。ただ,平成生保危機で破綻した生保の経営内部を調査したところ,いずれの規律もうまく機能しなかったことがわかった。現在でもソルベンシー・マージン比率等の健全性規制,保険会計やディスクロージャーなどには依然として改善の余地がある。とはいえ,ここにきて規制の見直しや新たな経営指標を開示する動きも進んでいる。他方,破綻生保ではコーポレートガバナンスが十分でなかったことが破綻リスクを高めたと考えられる。このため,経営組織の見直しなどガバナンス面を強化する取り組みが非常に重要である。

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© 2009 日本保険学会
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