保険学雑誌
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米国におけるRisk Retention Groupの動向について
杉野 文俊
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2011 年 2011 巻 615 号 p. 615_29-615_48

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抄録

アメリカ合衆国のRisk Retention Group(以下「RRG」)産業はこの25年間に発展・成熟して,保険代替市場の重要なプレーヤーとなるに至った。しかしそれは免許州と営業州の拡大と多種多様なRRG の増加を意味し,そのことによって(1)統一的な規制・監督制度の欠如,(2)規制・監督における連邦と州の確執,(3)コーポレートガバナンスの不備という問題点を露呈することになった。Liability Risk Retention Actは「単一州規制フレームワーク」と「部分的専占」が先進的であったが,四半世紀を経て,そのオーバーホールが必要となっている。Risk Retention Modernization Actの法案は2011年度の連邦議会に再提出されている。2012年にはGovernment Accountability Officeの第二次報告書も刊行される予定である。同法案の成否は,保険の規制・監督における連邦と州の関係の行方を占うものである。

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© 2011 日本保険学会
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