保険学雑誌
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ジェロントロジーが保険および保険学の発展に寄与する可能性に関する考察
梅田 篤史
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2012 年 2012 巻 617 号 p. 617_139-617_158

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抄録
保険学は,今日まで様々な周辺分野との結びつきにより発展を遂げてきた。
本稿では,高齢社会の中で注目されるジェロントロジー理論の基本的枠組みと高齢社会における保険の方向性を検討し,これらをもとに保険学の周辺分野としてのジェロントロジーが保険学に与える影響について考察を行った。
高齢者の生活および新たな保険ニーズを探るために,わが国の人口・寿命をはじめ,高齢者の生活および問題点について検討を行った結果,今日の高齢者は様々な問題に直面していることがわかった。
これらの問題を保険ニーズと捉え,今後の高齢社会における保険のあり方として,高齢者が保険の対象となる可能性,現物給付の必要性,保険に付随する各種サービスの充実をあげ,さらに保険学への影響として保険のリスク概念に対する再検討の必要性を述べた。
ジェロントロジーの「高齢者を知る」という根本的な研究課題は,今後の保険および保険学の新たな可能性を示している。
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© 2012 日本保険学会
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