保険学雑誌
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実務家が行う大学の損害保険連続講座に関する考察
竹井 直樹
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2014 年 2014 巻 627 号 p. 627_149-627_163

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抄録

実務家が大学の連続講座の講師を務める例が散見される。損保協会でも,損保協会職員が講師を務め,全国の15の大学において「損害保険論」等の講座名で連続講座を実施している。大学で行う損害保険連続講座は,消費者教育という面はあるが,保険教育の前提となるリスク教育も施す必要があり,また,損害保険で補償するリスクが多種多様なため,保険教育を通じて社会の仕組みを学ぶという面もある。
保険は専門性が高く,複雑であるから,もともと取っ付きにくいといわれている。であれば,大学の連続講座を活用し,実務家が実務を紹介しながら,理論も織り交ぜて体系的に保険教育を行う意義は大いにあるのではないか。すなわち,損害保険が持っている領域の広さとリスクとの親近性,および学生が持っている純粋さ,柔軟性,吸収力の高さ,さらには大学の連続講座が持っているPDCAサイクルを活用した教育効果などを存分に生かして,損害保険やリスク,さらには社会の仕組みの一端を学ぶ格好の実学講座を構築できるのではないかと思う。
実務家が行う大学の損害保険連続講座の業界的,社会的意義を問い直し,新たな価値創造へ結びつけるべきである。

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© 2014 日本保険学会
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