保険学雑誌
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ホルムズ海峡等における事態発生と貨物海上保険
—加害行為および拿捕の解釈に係わる小考—
新谷 哲之介
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キーワード: 拿捕, 攻撃, 海上保険
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2020 年 2020 巻 648 号 p. 648_239-648_266

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抄録

2019年を通じ,中東方面等でタンカーに対する攻撃や拿捕などの事態が複数発生した。外航貨物海上保険は,戦争やテロの危険による損害を填補するが,今次発生した攻撃はいずれも行為者・動機ともに不明であり,何らかの謀略を企図したものと考えられている。こうした事象は約款上においてどう解釈されるであろうか。外航貨物海上保険は,保険者の損害填補については英法を準拠法としていることから,この解釈は英法に拠らなくてはならない。また,イランとイギリスが互いにタンカーの拿捕を行ったが,約款が規定する拿捕・捕獲などの危険は国際法上の法律行為であることから,英法上の解釈もさることながら,国際法上の意義が前提的に存在している。本稿は,こうした海上保険特有の約款解釈問題と法律的背景について考える。

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© 2020 日本保険学会
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