保険学雑誌
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九州部会創立25周年記念大会
【記念講演】保険システムの機能範囲
—社会保険を中心に—
石田 重森
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2020 年 2020 巻 648 号 p. 648_5-648_13

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抄録

社会保険は,当然のことながら,保険の範疇にあって,保険の原理を根幹にして社会保険としての扶養性が加味されて,保険システムとして成り立っている。ところで,近年,社会保険における医療保険において高度先進医療の発展と高額薬剤・高額医薬品の出現に関し,その公的医療保険適用をめぐって,医療保険財政を圧迫する事態が発生し,保険システムが適正に機能しなくなるような状況が生じている。

これまでも後期高齢者医療保険や国民健康保険さらに介護保険,年金保険も含め,社会保険財政の窮迫をめぐり,経済政策・社会政策に関連した論議の一つとして,社会保険としての保険システムのあり方が問題とされ,論じられてきた。

改めて,社会保険としての医療保険を中心に,保険システムの機能範囲,保険としての限界をめぐって検討し,社会保険の方向性ならびに国民医療費抑制策に言及する。

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© 2020 日本保険学会
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