2021 年 2021 巻 652 号 p. 652_113-652_121
損保協会が行っている損害保険リテラシーの向上に係る取組みから,リスク認知と金融リテラシーの状況を確認する。2022年4月からの成年年齢の引下げを踏まえ,高校生を対象に教員が実践する教材を作成し,授業で取り上げてもらう取組みを行っており,教員や学校現場に保険教育の必要性を浸透させていくことが課題である。また,全国の大学で開講している連続講座では,大学生に身の回りのリスクを認識してもらい,対応する保険についての正しい知識を身に付けてもらう取組みを行っている。さらに,新型コロナウイルス感染症対応を踏まえ,オンラインで利用可能な学習教材や啓発ツールによる情報提供を進めている。様々な手法を駆使し,学生や消費者に備えるべきリスクの種類や内容を正しく認識してもらい,保険の必要性を理解してもらったうえで保険商品を適切に選択・利用する力を身に付けてもらう取組みを今後もさらに推進していく必要がある。