抄録
日本に生息するヒメドロムシ科について、後翅の発達状況とその生息環境との関連を調べた。その結果、多くの属で後翅が退化し飛翔能力が無い短翅型が存在することがわかった。短翅型は一般に、細流や川岸に生息する種に多く見られ、流下の危険が少ない種ほど短翅型が出現しやすい傾向が伺われた。中でも、ヒメツヤドロムシ属の3種は流程分布に対応して、短翅型の出現頻度が異なっていた。また、短翅型のみが見られる種は、絶滅が危惧されている種も多く、移動分散能力が低いことが人為的な撹乱の影響を強く受けていることも考慮する必要があるように思われた。