抄録
和歌山県有田川の水質を調べ、その流域の地質との関係を考察した。日本の河川の平均値(小林 1960)や世界の河川の平均値(Livingstone 1963)と比較すると,有田川は日本と世界の間に位置しており、有田川(小林 1960)と比べると、SiO2の濃度のみわずかに低くなっており、他の成分の濃度はわずかに大きくなっている。地質区分で比較すると、四万十帯ではHCO3-濃度の割合が小さく、Na++K+とSiO2の濃度の割合が高い。三波川帯はMg2+の濃度の割合が高い。火成岩地域を流れる河川と比べると、SiO2の溶存濃度が小さい。以上のことが明らかになった。