抄録
本研究は長野県飯山市の水田地帯を流れる広井川を研究地点とし、農薬が付着微生物群集の生産力に与える影響を評価する事を目的とした。広井川No.2で2003年6, 8月に付着微生物群集の生産力(NCP・CR)の測定を行った。付着微生物群集のNCPは6月で64 mgC m-2 h-1 、8月上旬で 105 mgC m-2 h-1であり、CRはそれぞれ74, 18 mgC m-2 h-1であった。広井川流域では6月に除草剤、8月には航空防除によって殺虫剤DEPと殺菌剤トリシクラゾールが散布される。6月は除草剤により付着微生物群集内の付着藻類の光合成が阻害されNCPが減少し、8月では殺虫剤・殺菌剤によって付着微生物群集内のバクテリアや原生動物等の呼吸が抑えられCRが減少した。付着微生物群集の生産力の測定は農薬の影響を評価する良い手法になる事が本研究によって実証された。