鹿児島県上甑島に位置する貝池(部分循環湖)において、PCR-DGGE法によって水中から堆積物までの真正細菌群集の垂直プロファイルを決定した。その結果、水中酸化還元層および水-堆積物境界層において群集構造が大きく変化し、光強度、酸素、硫化水素濃度の垂直変化と連動していた。水中嫌気層で優占していたのは緑色硫黄光合成細菌と硫酸還元菌で、両者の全原核微生物由来SSU rRNAに占める割合は最大91%にも達し、DGGEの結果と合わせて非常に単純な生態系の存在が示唆された。堆積物表層では、硫酸還元菌とChloroflexi門に属する細菌が全SSU rRNAの約70%を占め、両者が密接な関係を有していると考えられた。