主催: 日本ロービジョン学会, 視覚障害リハビリテーション協会
はじめに
視覚障害者情報提供施設であるライトハウスライブラリーは、平成5年から点字図書館業務と並行して、視覚障害者リハビリテーション事業を実施。開始から10年を経過したが、重度視覚障害者の無就労者、盲ろうの在宅者も多く、何とかその方々が集える場が持てないかという思いから、新たな試みとして、平成16年6月より、盲ろうの方(弱視ろう、弱視難聴、全盲難聴、全盲ろう)及び視覚・内部の重複障害の方等を対象にしたコミュニケーション講習会「ふれあいサロン」を開始することとなる。
実施計画
当館のリハビリテーション担当職員3名、点訳ボランティア、パソコンボランティア、要約筆記者、手話通訳者が連携を図り、利用者に対しマンツーマン対応。
当初は、独立行政法人福祉医療機構(高齢者・障害者福祉基金)助成事業として、水曜日の13:30~15:30の年40回を計画。助成金により、講師謝金、パソコン・ピンディスプレイの購入なども行った。
事業内容
参加者の方の障害状況を把握し、点字、拡大文字、接近手話、指点字、触手話、手書き文字等を用いたコミュニケーション訓練を実施。基本的には、コミュニケーションの手段の獲得が目的ではあったが、多くの人々と接する中で、訓練以外の部分での“ふれあい”があり、陶芸、タンデム自転車体験等の人とのかかわりが増えた。
成果・課題
平成17年度の年間参加者は、延べ303人を数えた。年齢層も30代~70代と幅広い層に亘った。この事業がきっかけになったのかは分からないが、昨年暮れに「しまね盲ろう者友の会」が設立され、今年度からは、その会が「盲ろう者通訳養成事業」の委託を受けた。
当館では、昨年、今年と「盲ろう者」支援を大きな目標として掲げているが、資金面を含めて更なる充実を図るべく新たな試みを展開していきたい。