主催: 日本ロービジョン学会, 視覚障害リハビリテーション協会
【目的】遮光レンズの装用が色相弁別能力に及ぼす影響について検討する。
【方法】色覚に異常の無い晴眼者10名が実験に参加した。遮光レンズは東海光学社製CCP及びCCP400シリーズのLY, UG, RO, FR, TSの5種類であり、高田巳之助商店製シミュレーションゴーグルに装着して実験を行った。白濁条件として白濁フィルタ無し・有りの2条件を設定して、有り条件では白濁フィルタの上に遮光レンズを重ねてゴーグルに装着した。色相弁別能力は人工太陽照明灯(セリック社製)の照明下でFarnthworth-Munsell 100 hue test (ルノー社製)によって測定した。
【結果】総偏差点は遮光レンズ非装用時と比べて、透過光の波長カットの程度が小さい遮光レンズTS装用時ではほとんど変わらなかったが、LY, UG, RO, FR装用時で上昇していた。色相混同は青-黄軸あるいは全色相で認められた。また、白濁フィルタ有り条件では無し条件に比べて総偏差点が高くなる傾向が認められた。
【結論】色相弁別の成績は装用する遮光レンズの波長カットの程度によって異なることが示唆された。