抄録
【目的】
中途視覚障害者は、点字触読の習得に大きな困難を抱えるケースが少なくない。その理由として、これまでは糖尿病神経症による触知覚の鈍磨などが多くあげられてきた。そこで、中途視覚障害者の点字習得、特に触読技術習得の阻害要因を検討するために、七沢ライトホームで実施した点字読み訓練の結果について調査した。
【方法】
対象者:1991年度~2006年度の当施設入所利用者279名
調査方法:訓練記録の参照、訓練担当者などへの聞き取り
調査内容:基本属性、触知覚の状況、点字読み訓練の結果等
実施時期:2007年3月~6月
【結果と考察】
点字読み訓練の対象者は、182名であった。平均年齢は45.6歳、触知覚評価の平均得点は、32.2/40点、教科学習評価の平均得点は35.9/60点であった。この内、点字読速度が実用段階(標準点字32マス18行1ページ10分以内)に到達したものは、29名(15.9%)である。このグループは、平均に比べ、年齢が若く、触知覚評価と教科学習評価の得点が高いという特徴がみられた。しかし、教科学習評価の得点は、点字読速度が1ページ10~30分程度にとどまったグループとほとんど変わらなかった。また、50歳以上の者は76名(41.8%)いたにもかかわらず、点字読速度が実用段階に到達した者は、僅かに1名(0.5%)にすぎない。したがって、点字触読の習得には、年齢がより大きな影響を与えているといえるだろう。