The Journal of Japan Society for Laser Surgery and Medicine
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ORIGINAL ARTICLE
Photodynamic Therapy Using 5-Aminolevulinic Acid for Cervical Intraepithelial Neoplasia
Mika Mizuno
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2020 Volume 40 Issue 4 Pages 375-380

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Abstract

子宮頸部上皮内腫瘍は子宮頸癌の前駆状態であり,稀な疾患ではない.標準治療は,外科的切除であるが,この方法は早産率を有意に増加させることが報告されている.光線力学的療法(photodynamic therapy: PDT)は,子宮頸部上皮内癌に対しての低侵襲性治療である.従来法PDTは良好な治療成績が報告されているが,合併症である光線過敏症の懸念や,長期入院が必要なことから,普及率は低い.5-アミノレブリン酸は,アミノ酸の一種であり,増感作用を持つポルフィリン類の前駆物質である.我々は,子宮頸部上皮内腫瘍に対して,5-アミノレブリン酸とLED光源を用いたPDTの臨床試験を行った.

Translated Abstract

Cervical intraepithelial neoplasia is a premalignancy of cervical cancer, and is not a rare disease. Standard treatment for cervical intraepithelial neoplasia (CIN) 3 is surgery, but this method has been shown to lead to premature birth. Photodynamic therapy (PDT) is a minimally invasive treatment option for carcinoma in situ (CIS). Several authors have reported the efficacy of conventional PDT, but the diffusion rate continues to be set low, due to concerns regarding side effects and the need for prolonged hospitalization. We have conducted an innovative clinical trial for patients with CIN using 5-Aminolevulinic acid (5ALA) and LED technology.

1.  緒言

子宮頸癌の発症は,ヒトパピローマウイルス(human papilloma virus: HPV)が関与していることが解明され,2008年にzur Hausenらにより報告された1).その後,HPV予防ワクチンの開発も飛躍的に進み,アメリカ合衆国をはじめとして,現在は9価のワクチンが主流となりつつある2).本邦では,近年20~30歳代の若年女性の子宮頸癌罹患率・死亡率の増加が報告され,深刻な問題となっている3).子宮頸癌の前駆病変である子宮頸部上皮内腫瘍(cervical intraepithelial neoplasia: CIN)のうちCIN3である子宮頸部上皮内癌(carcinoma in situ: CIS),高度異形成の標準治療は子宮頸部の円錐切除術である.確実な診断も可能となる円錐切除術の有用性は高いが,Kyrgiouらは4),CINおよび初期浸潤癌に対する保存的治療後の産科的予後に関する27論文のメタアナリシスから,cold knife,LEEP,レーザー円錐切除が早産,低出生体重あるいは帝王切開のリスクを有意に高めること,中でもcold knifeを行った場合にリスクが最も高くなることを報告している.また,その前段階の軽度~中等度異形成は,通常,標準治療の適応なく,長期的な定期検査が必要とされる.

光線力学的療法(photodynamic therapy: PDT)は,光感受性物質が腫瘍特異的に集積する特性を利用し,励起光を照射し起こる光化学反応により,腫瘍細胞を致死損傷させる低侵襲治療である.1995年に表在性食道癌,表在性胃癌,早期肺癌と同時期にCISに対するPDTの光増感剤porfimer sodium(PHE: Photofrin®)が保険収載された.PDT療法の作用機序は,静脈投与されたPHEは,肝臓,脾臓に高濃度に分布し,これらの臓器内の半減期は約1週間であるが,通常,正常組織のPHE濃度は48~72時間後には低下する.一方,PHEは腫瘍組織には選択的に取り込まれ,かつ排泄されにくく高濃度で蓄積することが知れられている.この投与後48~72時間帯が正常組織蓄積量と腫瘍蓄積量の差が最大となることが知られている.PHEが蓄積した腫瘍組織に励起波長のレーザー光を照射するとPHEは励起状態となり,この励起状態からの光化学反応のエネルギーにより,活性酸素が生じる.強い酸化作用をもつ一重項酸素や種々のフリーラジカルが,腫瘍細胞の細胞内小器官を酸化・変性壊死させ,殺細胞効果を発揮する.腫瘍細胞での第一作用部位はポルフィリン類の集積するミトコンドリアであることが証明されている.核障害によるアポトーシス誘導によっても細胞死をきたす.また,腫瘍組織に生じた新生血管の血管内皮細胞も障害され,いわゆるvascular shut-down effectによる抗腫瘍効果も重要な作用であることがわかってきている.これまでも,CISに対するPDTの高い治療成績は報告されてきているが5),光線過敏症の副作用への懸念や,長期入院が必要な理由などにより,普及率は低い.呼吸器領域では,半減期の短いTalaporfin sdium(Laserphyrin®)が用いられているが,子宮頸癌への適応がなく,適応拡大のため研究がなされているが,時間を要している.一方,励起光を照射機器として,YAG-OPO laserと並んで,従来使用されていたexcimer dye laserは製造中止となりメンテナンス期間も終了となり新たなレーザー機器が模索されている.

5-アミノレブリン酸(5-aminolevulinic acid: 5ALA)は,ミトコンドリア内に存在しへム合成経路に関与するアミノ酸である.5ALA自体には光感受性は無く,強い増感作用をもつprotoporphyrin(PPIX)の前駆物質である.我々は,CINの患者に対して,5ALAとレーザー照射にlight-emitting Diode(LED)光源を用いた通院でのPDTの臨床試験(UMIN: 10412)を行った.

2.  目的

5ALA-PDTの有効性と安全性評価.5ALA-PDTの有効性を病変完全消失率(complete response: CR)で評価し,安全性評価は有害事象をCommon Terminology Criteria for Adverse Events(CTCAE)ver. 4を用いて行う.

3.  方法

1)5ALA:分子量131のδ型アミノ酸で分子中央にカルボニルを有する.今回用いた試薬は,一般名:アミノレブリン酸塩酸塩(5ALA),化学名:5-aminolevulinic acid hydrochloride.研究で使用する5ALAは,医薬原薬であり,一方,製品名「アラグリオ®内用剤1.5 g」は,医薬原薬を用いて製造された医薬品である.製品は,既に脳腫瘍や膀胱腫瘍の診断薬として保険収載され,日常診療で使用されている.

2)レーザー照射器は,特殊レンズによりアクリルロッドに導光することにより行われる.前述したとおり,5ALAはPPIXの前駆物質である.PPIXの励起波長は5峰で,青色410 nm波長から赤色の635 nm波長があり,その間に510,545,580 nm波長が知られている.励起により620 nm付近の蛍光赤色発光をするため,診断には青色光を,治療には組織透過性が高いといわれる赤色光を用いる.LEDモジュール仕様は,発光素子は7素子の高出力発光ダイオード,red LEDは,発光ピーク波長は633 nm ± 1 nm,光パワー:Red(300~530 mW),電源:AC 100 V 50/60 Hz.ライトガイドの仕様は,材質はアクリルで,全長200 mm,導光径が腟部照射のための約10~20 mmの円柱状のタイプと,頸管内照射のため先端が先細り(鉛筆)型の全長200 mmを使用(Fig.1).病巣に対して,一回当たり100~150 Jで5~6分の照射を行い,約20~30分を要する.

Fig.1 

Light source is a light-emitting diode (LED) guided by an acrylic rod

3)対象は,施設内での病理学的診断を行ったCIN症例.適格基準,除外基準をTable 1A,Bに示す.本試験では,病理学的診断は,CINおよび異形成,上皮内癌の分類を用いている.CIN1-3を対象としているが,診断から2年以内のCIN1は除外した.本試験はWORLD MEDICAL ASSOCIATIONによるヘルシンキ宣言/人間を対象とする医学研究の倫理的原則に従って本試験を立案および実施した.施設内の倫理委員会で承認を得たうえで,患者説明書を用いて説明し,患者が内容をよく理解したことを確認の上で,自由意思による試験参加の同意を患者本人から文書により取得された者を試験に組み入れた.

Table 1 

A: Inclusion criteria, B: Exclusion criteria

A
Key inclusion criteria
1 Pathological diagnosis within 3 months by central pathological review
①CIN3
②CIN1, 2
2 Premenopausal women between the ages of 20 and 50
3 ECOG Performance Status 0–2
4 Patients with organ function is maintained sufficiently
5 Patients consent of patients was obtained in writing
6 A outpatient
B
Key exclusion criteria
1 Patients with CIN1diagnosed within 2 years
2 Patients with other malignant tumors
3 Patients uncontrolled infection
4 Patients with severe anamnesis. (Malignant hypertension. With severe congestive heart failure. Severe liver failure. Myocardial infarction within 3 months. End-stage cirrhosis. Poorly controlled diabetes. Severe pulmonary fibrosis. Interstitial pneumonia activity)
5 Allogeneic bone marrow transplantation
6 Patients with severe mental disorders
7 Patients with porphyria or hypersensitivity to porphyrins allergy
8 Patients with severe anemia
9 A gravida, a lactational woman
10 Patients were deemed inappropriate by research investigators

4)試験スケジュール(Fig.2)は,外来で5ALA-PDTを1~2週間間隔で計2回施行.20% 5ALAジェルを子宮腟部および頸管内に局所投与し,約2時間後,405 nm前後の青色LED光を照射し,局所から赤色発色すなわちPPIXの集積を確認後,赤色LED光で治療を行った(Fig.36).治療前に,子宮頸部細胞診,組織診断,血液生化学検査,HPVジェノタイプ検査,2回目照射前に採血施行,1~3か月毎に6か月まで内診,細胞診,コルポスコピー,組織診断をスケジュール通り行った.コルポスコピーおよび生検でCINを認めなかったものをCRと判定し,CRを得た症例は,HPV核酸検査を再度施行した.

Fig.2 

A study calendar

Fig.3 

Red fluorescence from tissue of cervix by a blue light at around 405 nm wavelength. A: Before irradiation B: After irradiation

4.  結果

患者背景:2012年4月に倫理委員会の承認を経て,最初の登録が2012年5月となり,2015年3月までに,適格基準を満たした計52例が登録された.患者背景をTable 2に示す.年齢中央値(範囲)は,39歳(21歳~50歳)で,5ALA-PDT前の病理組織学的診断では,CIN2に相当する中等度異形成が32例(61.5%),CIN3の17例(32.7%)の内訳は,高度異形成14例(26.9%),CIS3例(5.8%)であった.これらCIN3症例には,円錐切除術後に再度CIN3と診断された2例の再発症例が含まれている.妊娠既往のある症例が71.2%,分娩既往のある症例が53.8%みられた.診断から本試験開始までの期間は,中央値20.5か月であった.本試験において,高度異形成の1例は,5ALA-PDTの際に,視診でCIS以上の病変が疑われ,再度生検にて微小浸潤癌を認めたため,逸脱となった.

Table 2  Patient characteristics
Number %
Median age (range) 39 (21–50) years old
Before PDT*1 CIN1 3 5.8
CIN2 32 61.5
CIN3 17 32.7
(Severe dysplasia) 14 26.9
(Carcinoma in situ) 3 5.8
PS* 0 52 100
Gravida 0 15 28.8
1 10 19.2
2 12 23.1
≥3 15 28.8
Para 0 24 46.2
1 7 13.5
2 14 26.9
≥3 7 13.5
Median time(range) from diagnosis to therapy 20.5 (3–100) months
Number of withdrawn 1 1.9%

*PS: Performance status based on Eastern Cooperative Oncology Group

治療成績:観察期間中央値は,32か月であった.プロトコールに従い,5ALA-PDT後1~2か月の時点で子宮頸部の擦過細胞診を行い,5ALA-PDT後約3か月,6か月の時点で,コルポスコピーおよび生検を行った.1例の逸脱症例を除いた51例の最大効果の病理学的診断結果をTable 3に示している.36例(70.6%)が生検でno dysplasiaであり,すなわちCR症例とした.CRが得られた症例はほとんどが,5ALA-PDT後約3か月の生検で確認されているが,中には,数か月以上たってから治癒している症例も観察された.また,CRには至らなかったが,8例(15.7%)に,CIN3からCIN2および,CIN2からCIN1へとdown gradeを認めた.また,組織診断結果は変わらなかったが,コルポスコピー所見で,病変が50%以下へ縮小を認めた症例もみられた.

Table 3  The maximum effect of 5ALA-PDT (n = 51)
A pathological finding after PDT
No dysplasia CIN1 CIN2 CIN3
A pathological finding before PDT
CIN1 (n = 3) 3 0 0 0
CIN2 (n = 32) 21 5 6 0
CIN3 (n = 16) 12 0 3 1

CR症例36例を追跡調査したところ,5例の再発を認め,Kaplan-Meier法での 3年無病曲線では,88.2%という結果であった.

HPV検査:全症例の治療前ハイリスクHPVジェノタイプの検出は96%であった.16型単独感染は,12%,52,58型単独感染が各々10%,2あるいは3つの型による混合感染が18%を占めた.5ALA-PDT後CRを確認した症例は,HPV検査を再度行っており,79%の症例が陰性化を認めた.

有害事象:今回の症例では,光線過敏症は1例も認めず,また,試験を中断するようなgrade 3,4の有害事象も認めていない.約97%に,PDT後1~2日間に腟分泌物の軽度増加を認めたが,特に治療を要するものは無かった.

妊娠:今回5ALA-PDT後に妊娠を確認した症例は5例で,全て分娩に至っているが,1例は,分娩後にCIN3の再発を認めて円錐切除術が行われている.

5.  考察

本試験は,CIN患者を対象に5ALAを局所塗布し,光源としてLED光源を用いて行ったPDT試験としては,PubMedおよび国内の文献を検索する限り初めての報告となる.外来通院で行った5ALA-PDT試験は,特に重篤な有害事象もみられず,比較的有用なものと考えらえた.

PDTの治療成績においては,従来法の静脈投与でのPHE-PDTでは,CIN症例に対して国内ではexcimer dye laserや YAG-OPO laserを用いて約95%前後のCR率を報告している5,7,8).国外では,dihematoporphyrin etherの局所塗布とargon-pumped dye laserを用いて68%のCRを示している9).一方,CINにおいては,5ALA-PDT の報告は少ないが10-12)比較的良好な結果を報告している.Wangら10)はCIN2,3の5症例に対して,局所投与5ALAと半導体レーザーを用いてPDTを行い,6か月後の組織診で全ての患者でcomplete response が得られたことを報告している.また,他臓器腫瘍に対する5ALA-PDTの使用報告では,皮膚疾患(日光角化症,ボーエン病,表在性型基底細胞癌など)13,14)や,口腔外科領域のverrucous hyperplasiaに対して,20%濃度5ALAの皮膚や粘膜への塗布剤の使用報告がなされている15).我々の試験では,1~2週間隔で,通院で2回連続施行した結果,CR 70.6%と,比較的良好な結果が得られた.50%以下への病変の縮小した症例も認め,PDTの回数を増やすことでCRに至る可能性も示唆された.また,down gradeの症例については,その後妊娠,分娩に至った症例もあり,円錐切除術による早産を回避できた可能性がある.この事は,CRとならずとも,患者にとって有益だったと考える.治療後CRに至るまでの期間は,過去の文献同様に中央値3か月であったが,その後半年を超えてからCRを認めた症例もみられ,様々な要因の関与が示唆された.一方,今回の症例の中では,PDT施行前の診断が過小評価であり,途中で逸脱となった症例などがみられ,ガイドラインなどでも述べられているが,やはり治療前に十分な検査を行い,微小浸潤癌や頸管内の腺癌病変などの除外を行っておく必要がある16)

HPV関連腫瘍であるCINにおいて,PDT後のHPV感染を検証した報告も少なくない.Wang10)はCIN2,3症例のうち約90%がPDT後にHPVが陰性となったことを報告している.我々の結果では,CRの症例において,HPV検査がカットオフ値未満の陰性となった症例が約8割であり,自然消失の症例も含まれる可能性はあるが,比較的良好な結果であり副次的有効性とも考えられる.また,HPV関連腫瘍において,CIN,腟上皮腫瘍,口腔腫瘍で一定の効果がみられている報告もなされている11,12,17)

レーザー照射器としては,従来,上述した比較的大型,高価な固体レーザー装置やガスレーザー装置を低出力で使用することでPDTが行われてきたが,YAG-OPO laser,excimer dye laserともに製造中止となり,新たなレーザー装置の開発が必要とされている.今までにも,半導体レーザー光源やランプ光源などの有効性も報告されている18,19).本試験では,励起光の照射のみであれば,焼灼も可能であるレーザー機器にこだわらず,安価で簡便なLEDに着目した.あくまでも,励起波長のレーザー光を照射するのみの機器であり,従来のPDT特有の病変部のレーザー潰瘍や組織の強い壊死なども報告されているが,本試験において,特にそのような所見は認められなかった.

有害事象においては,上述した通り,従来法のPDTに用いられる光感受性物質PHEは半減期が長く,有害事象として強い光過敏症が生じることが知られており,光の暴露を避けるため約3週間の暗所での入院とその後の日常生活にも制限が必要とされる.しかし,今までの報告では,非常に軽度の光線過敏症の頻度は高くみられたが,予防的な遮光により,総じて重篤な事象はなかったと報告されている5,8).本試験においては,通院で行っているが,光線過敏症状は一例も認めなかった.投与後2日間は,直射日光を直接浴びないように外出時に肌の露出を避ける衣類,帽子の着用を推奨した.

6.  結論

今回の試験結果より,CINに対して5ALA-PDTは,非常に有用で安全な方法であることが示唆された.若年者の罹患率が増加している子宮頸癌の前駆病変に対して,副作用が少なく,外来で施行可能なPDTにより,円錐切除術の回避,数か月毎に数年間以上続くCINのfollow upの負担の軽減など,患者のみならず,医療者側の負担の軽減が可能となれば,今後の期待も大きい.しかしながら,いくつかの課題も挙げられる.更に治療成績を向上させる工夫が必要であること,特別な技術や経験なしでも医療者が簡単に扱える照射機器の開発が必要となることである.これらを,検証する大規模な臨床試験も重要と考える.

7.  謝辞

臨床研究に協力いただいた被験者,名古屋大学医学部産婦人科吉川史隆先生,梶山広明先生,三井寛子先生,内海史先生,勅使河原利昌先生,愛知県がんセンター中央病院婦人科部坂田純先生,試薬と照射器具の提供のSBIファーマ株式会社 石井琢也氏,井上克司氏,高橋究氏,石塚昌宏氏に深謝します.

利益相反の開示

利益相反なし.

引用文献
 
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