The Journal of Japan Society for Laser Surgery and Medicine
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Recent Advances in Ophthalmic Diagnosis and Treatment Using Laser Technology
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2025 Volume 45 Issue 4 Pages 409

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近年,眼科領域におけるレーザー機器はこれまでにない速さで発展を遂げています.眼科で使用されるレーザーは,網膜光凝固術のように光熱作用を利用して網膜の熱凝固を行う治療から始まりましたが,現在では近視矯正手術や緑内障治療など幅広く応用されています.医療分野においては,皮膚科や形成外科と並び,眼科も多くのレーザー治療を取り入れている分野のひとつです.さらに治療だけにとどまらず,網膜の断層像を高解像度で撮影する光干渉断層計(OCT)や,白内障手術に必要な眼軸長の正確な測定を行う機器など,レーザー技術は診断機器にも広く応用されています.こうした進展により,眼科の日常診療ではレーザー機器が欠かせない存在となっており,もはやレーザー装置を使用しない日がないほど身近なものとなっています.中には若手の医師が,それがレーザー装置であると意識せずに使用しているケースも少なくないほどです.

このたび,日本レーザー医学会誌の一環として,「レーザーを使用した眼科診断・治療の最新情報」と題した特集を組むこととなり,眼科領域で先進的な研究や実践を行っている4名の先生方に執筆をお願いいたしました.本特集では,レーザー技術が眼科分野に与える影響とその応用範囲について,各先生方がそれぞれの専門分野から詳述してくださいました.野崎先生には眼底を広角撮影できるレーザー検眼鏡装置について,喜田先生には網膜や脈絡膜,さらには視神経乳頭の血流を非侵襲的に測定できるレーザースペックルフローグラフィについて執筆いただきました.上野先生からは緑内障治療におけるレーザー治療の実際について,山成先生には網膜の断層撮影技術をさらに発展させた偏光OCTの技術とその応用についてご寄稿いただきました.

この特集は,多岐にわたるレーザー技術の最新の発展が眼科領域にどのような特殊性や多様性,そして新たな創造性をもたらしているかを,多くの方々に感じ取っていただける内容となっています.ここに,貴重な知見と実績を提供いただいた4名の先生方に,深く感謝申し上げます.

最後に,本特集が眼科医療のさらなる進展だけでなく,他の医療分野における新たな知見やイノベーション,そして新技術の発展にも貢献し,学際的な研究の連携や新しい可能性の模索に少しでも寄与できれば幸いです.

 
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