2025 Volume 46 Issue 1 Pages 21-28
Er:YAGレーザーの発振波長2,940 nmは水への吸収性が非常に高く,軟組織,硬組織ともに効率良く蒸散できる.歯肉への切開においてEr:YAGレーザーは,他のレーザー波長と比べて周囲組織への熱の影響も注水・非注水下ともに極めて少ないことが報告されている.これは,歯科臨床において歯肉切除術,小帯切除術,また歯肉色素沈着除去やメタルタトゥー除去などに効率的に用いられ,創傷治癒が良好で,また疼痛が少ないことと一致している.現在,歯科臨床において使用されているEr:YAGレーザーの特徴として,様々な部位にアプローチできる細いコンタクトチップが応用されていることが挙げられる.チップ先端と同軸の注水が正確になされ,硬組織と軟組織の両者に繊細な処置が可能である.この特徴は,手術用顕微鏡との治療に非常に相性が良い.処置部位を限局的にし,正確に組織蒸散を熱傷害なく実現できるこの組み合わせは,近年のMinimally invasive(MI)のコンセプトに合致する診療アプローチと考えられる.このコンビネーションの最適な例として,歯肉の審美障害であるメラニン色素およびメタルタトゥーの除去が挙げられる.メラニン色素除去においては,歯肉着色の原因となっているメラノサイトを含んだ上皮層を取り除き,新しい上皮が形成されることで改善される.そのため,最小侵襲で色調改善を図る際には,顕微鏡での拡大視野下でレーザーの繊細な組織蒸散を表層の上皮とメラノサイトが凝集しやすい上皮脚部分に選択的に行うことが望ましい.それにより,結合組織中の毛細血管や神経が損傷をせず,出血が少なく術後疼痛の少ない処置にできる.また,メタルタトゥー除去では,結合組織に埋入した金属切削片を,Er:YAGレーザーのコンタクトチップを用いた注水下での組織蒸散により,正確かつ低侵襲に除去でき,痛みが少なく,再発しにくい治療が可能となり,患者の満足度が高い臨床成績が得られている.本稿では近年に発表した最小侵襲の新しい術式であるEr:YAG laser micro-keyhole surgery(EL-MIKS)による広範囲のメタルタトゥー除去について概説をする.
Er:YAG laser, wavelength of 2,940 nm, is highly absorptive of water and can effectively ablate both soft and hard tissues. It has been demonstrated that the Er:YAG laser has minimal thermal damage on surrounding tissues when used for gingival incisions, which makes it a preferred modality over other laser wavelengths. This laser is frequently utilized in dental procedures, including gingivectomy, frenectomy, gingival pigmentation removal, and metal tattoo removal, due to its favorable wound healing properties and reduced pain. A significant advantage of the Er:YAG laser is its effectiveness when used with a thin contact tip, enabling precise and delicate procedures on both hard and soft tissues. This allows for compatibility during treatment using an operating microscope, enabling precise and localized tissue treatment without causing thermal damage. This approach is consistent with the concept of minimally invasive procedures. The article also discusses the use of this laser in the removal of melanin pigment and metal tattoos, where the laser’s selective and minimally invasive tissue vaporization provides effective and satisfactory results for patients. A new technique, Er:YAG laser micro-keyhole surgery (EL-MIKS), has been introduced for the removal of extensive metal tattoos.
歯科用レーザーは軟組織の切開・切除が容易に可能であり1),多くのレーザー波長において,その切開は熱作用を伴うため,切開面の凝固により止血され,従来のメスを用いる外科手技と異なり縫合が不要であることが多い.臨床においては,エプーリスや歯肉線維腫の切除,また小帯切除術にも応用2)されており,薬物性歯肉増殖症への歯肉切除でもレーザー治療の有効性が報告3)されている.
Kawamuraらは,レーザーによる歯肉の蒸散における熱影響を同一出力の各波長にて比較し,Er:YAGレーザーはNd:YAGレーザーや半導体レーザーよりも短時間で歯肉の蒸散が可能であった.また,切開している歯肉周囲の温度上昇は比較したレーザー波長の中ではEr:YAGレーザーが最も低く,組織学的にも凝固層が最も薄いことを明らかにした4).
健康な歯肉は一般的にコーラルピンクと表現されるが,色素沈着があると歯肉は茶褐色や青黒色を呈し,審美障害となる.
口腔内の生理的な色素着色として,メラニン色素の沈着がしばしば見られる.上皮基底細胞層に存在するメラノサイト内のメラノソームで過剰にメラニンが産生され,上皮層や結合組織層へ沈着することにより歯肉が茶褐色を呈する.メラニン沈着の程度には遺伝的な要因,喫煙,ホルモン,日焼けなどの要素が関わると言われている5,6).歯肉へのメラニン色素沈着は喫煙者に多くみられるが,非喫煙者であっても発症が見られる.喫煙とメラニン沈着は強く相関することが知られており7),用量依存的にメラニン沈着の有病率が上昇することが知られている8).さらに,メラニン色素沈着の有病率は喫煙から1年目に顕著に増加し,禁煙後約3年で非喫煙者と同程度まで下がることが報告されている9).したがって禁煙によりメラニン色素沈着が改善していく可能性があり,メラニン沈着を訴える喫煙者に対する第一選択は禁煙指導であろう.
メラニン色素沈着の除去には,外科的にマイクロモーターのカーバイドバーで切除する手法や,フェノール溶液を用いた化学的処置がとられることが多かった10).しかし,外科的除去術では術後の出血や疼痛などの不快症状が多いことや,化学的処理では術後の疼痛や再発が多いなどの問題点があった11).そこで近年,術後疼痛が少なく12),再発率も低い利点を有することから10),レーザーを用いたメラニン色素沈着除去術が多く行われてきている.レーザーを用いた処置の利点として,術中術後の疼痛を含めた不快感が少ないこと13),術後の治癒が早いことがあげられる.特にEr:YAGレーザーは組織に与える熱ダメージが非常に小さいため,術後の炎症反応が少なく治癒も早いことが知られている4,14).
これまでにCO2レーザー15),Er:YAGレーザー16-19),Nd:YAGレーザー,半導体レーザーなど様々な歯科用レーザー装置がメラニン色素沈着除去に用いられてきた20).メラニン色素除去術について再発率を比較したシステマティックレビューによれば,凍結療法およびレーザー治療は他の治療に比べて再発率が低いことが明らかにされている10).これまでのレーザー治療による再発率の報告として,CO2レーザーを用いたメラニン色素沈着除去術のケースレポートでは,有害事象なくメラニン色素が除去され,着色面積が有意に減少したもの,2年後の経過で10症例中2症例にわずかな再発が認められたことを報告している21).Nd:YAGレーザーによるメラニン色素沈着除去術を行った4症例のケースレポートでは,出血や痛みもほとんどなく色素沈着は除去され,約1年間の観察期間で再発した症例はなかったことが報告されている22).また半導体レーザーとEr:YAGレーザーによるメラニン色素沈着除去を比較した研究では,6~24か月の観察期間中の再発は両群各10症例において無く,術中の臭いによる不快感がEr:YAGレーザー群の方が有意に低かったことを報告している23).近年のPavlicらの総説では複数の文献の所見からEr:YAGレーザーは歯肉のメラニン色素の除去を安全かつ効果的に行うことができ,審美性の回復に有効であることを述べている20).レーザーを用いたメラニン色素沈着除去術の有効性については,多くの報告がなされてきているものの,術式およびアウトカムの評価方法が確立されておらず,各種レーザーや術式の違いを比較することが難しいのが現状である20).今後,メラニン色素沈着部位の定量的な評価や,除去効率,除去術に伴う疼痛や不快感,術後の審美性など多面的な評価方法を確立し,より低侵襲で高効率な治療法の検討を行う必要があると考えられる.
Er:YAGレーザーの2,940 nmの波長は,水分子へのエネルギー吸収率が極めて高い特性を有している.そのため,臨床的には熱傷害がほとんど無く,硬組織と軟組織の蒸散が可能である24,25).Er:YAGレーザーは熱傷害がほとんどないことにより組織損傷が少なく術後の創傷治癒が早いことや,レーザー照射と同軸の注水スプレーによって術野の視認性や操作性に優れていることなどから,繊細な処置を必要とする歯肉審美治療に非常に有用なレーザーである.これまでに,石井らは全顎的に沈着したメラニン色素沈着に対してEr:YAGレーザーを用いた除去術を行い,歯肉退縮などの合併症が起きることなく安全にメラニン色素が除去でき,審美性が顕著に改善したこと,また術後疼痛が軽度であり早期に創傷治癒が認められたことを報告した26).そしてマイクロサージェリーの応用によって侵襲を最小限にすることで,良好な治療成績を示すことが報告されている1,27-29).
29歳,男性で歯肉のメラニン沈着を主訴とした症例30)で,実際の処置について解説する.メラニン除去治療は,術後に食事などでの刺激で創面から接触痛を誘発する可能性があるため,本症例では処置範囲を3~4歯ずつに限定し,完全な治癒が得られた1か月後に別部位を行う手順で3回の処置に分割して行った(Fig.1~4).治療機器は接触照射用の歯科用Er:YAGレーザー(Dentlite,HOYA Conbio社製,米国)を用いた.Er:YAGレーザー照射は,歯肉頬移行部および歯間乳頭部に局所麻酔を行い,30 Hz,80 mJ,注水下にて2種類のコンタクトチップを使い分けた2段階で行った.まずチゼル型チップ(チップ幅1.6 mm)を斜め30度程に接触させて前後に歯肉に擦るように行った.過剰な組織蒸散を防ぐため同一部位に照射し続けないように配慮し,全体の色素除去を行った.次に,深層に残存している点状の色素を湾曲チップ(チップ先端径0.4 mm)で順に除去し,仕上げを行った.その際は,出力を10 Hzに下げ,照射コントロールをより繊細にし,結合組織への侵襲を最小限とした.マイクロサージェリーは手術用顕微鏡を用い10~20倍の拡大視野で行い,歯間乳頭や辺縁歯肉を損傷しないよう注意して照射を行う.メラニン色素が沈着している上皮は,注水下の拡大視野であれば,その下層にある結合組織と比較して判別は容易であるため,過度な組織の蒸散を防ぐことができる.術直後の照射部位は,軽度の出血を呈したが数分程度で自然に止血され,侵襲は軽微なため術後投薬は行なわない.創部の上皮化は1週間ほどで完了する.本症例では,術後も禁煙を継続できたため,術後1年6か月には色素沈着の再発はほとんど見られず,歯肉の退縮も無く極めて良好な経過であった(Fig.5).

A band of severe pigmentation was observed in the buccal gingiva of mandibular anterior teeth before surgery.
29 years old male with smoking habit. [Fig 1 to 5 from Inoue G, et al. Long-term outcomes of Er:YAG laser microsurgery for melanin removal in gingiva: A case report. Jpn J Conserv Dent. 2023; 66(2): 147-153; with permission. © copyright Japanese Society of Conservative Dentistry. Published by J-Stage]

Removal of gingival melanin hyperpigmentation using an Er:YAG laser (Dentlite, HOYA Conbio, CA).
Immediately before treatment.

Er:YAG laser irradiation was performed at an energy output of 62 mJ/pulse (10 J/cm2/pulse) for chisel tip and 45 mJ/pulse (15 J/cm2/pulse) for curved tip and 30 Hz with water spray in contact mode under local anesthesia.
The gingival epithelium containing pigmentation was easily and effectively removed by Er:YAG laser irradiation. No major thermal damage, such as carbonization, was observed.

10 days after the procedure, the ablated area was covered with migrated epithelium.
The patient had not felt any discomfort with the exception of slight pain on the treatment day.

18 months after the procedure, favorable wound healing was maintained without any gingival tissue defect or recession.
The gingival color recovered a natural esthetic appearance.
医原性の色素沈着として,メタルタトゥーやアマルガムタトゥーと呼ばれる(本稿ではメタルタトゥーに統一する),歯科治療により起こる色素沈着があげられる.メタルタトゥーは歯冠修復などの歯科治療時に,周囲の歯肉に金属材料の切削片の埋入が生じることで発症する.そして,金属片から流出したイオンにより周囲の結合組織が着色することにより顕在化し,歯肉が青黒色を呈する31).
メラニン沈着除去では上皮基底細胞層までの組織を除去するのに対して,メタルタトゥー除去術では,さらにその下層にある結合組織内に不規則に沈着した金属片およびイオンの流出により着色した金属片周囲の組織を確実に探知,除去する必要があるため,歯科用顕微鏡を用いた処置を推奨する.10~30倍の拡大視野下において,金属片が透けて歯肉表層に青黒色を呈している部位をよく観察しながら,上皮を蒸散させ結合組織内に沈着している金属片を除去させていく.
我々は前述のEr:YAGレーザーを用いたメタルタトゥー除去術をさらに発展させ,最小限の侵襲で行うメタルタトゥー除去術として「Er:YAG laser micro-keyhole laser surgery(EL-MIKS)」を考案した28).基本的な術式は前項で述べた方法と同様であるが,従前法はメタルタトゥーのある部位の上皮を除去し,その下部の結合組織を除去していくものであったのに対し,EL-MIKSでは創部を最小化するために,マイクロキーホール(micro-keyhole)と呼ぶ,直径1~2 mm程度の上皮の貫通点を作成し,その下部の結合組織をたこつぼ型に術野を広げながら蒸散していくことで,最小限の創傷でのメタルタトゥー除去を可能とし,良好な創傷治癒を得ることができる(Fig.6).

Step-by-step procedure of Er:YAG laser micro-keyhole laser surgery (EL-MIKS) for removing metal tattoos in the gingiva adjacent to prosthetic teeth (a). Making a small keyhole with a diameter of 1–2 mm to access the pigmented gingiva to ablate metal fragments and the surrounding discolored connective tissue using an Er:YAG laser (b). Shifting the laser direction to ablate the metal and surrounding tissue. Eliminate micro-metal fragments as much as possible through the keyhole so as not to expand the size of the keyhole. Carefully preserve the overlaying gingiva of the discolored tissue intact (c). After the tissue evaporation, the ablated space fills with blood. Defocus irradiation (10 Hz, 60 mJ) without a water spray to the micro-keyhole entrance with more than 5 mm distance between the laser tip and gingiva (double-headed arrow) was performed. The coagulation of the blood surface is encouraged by a laser-derived heat reaction. The blood clot is stabilized within the evaporated space (d). If the pigmentation is widespread, the area to be treated must be divided into several parts that are treated one by one. Micro keyholes are prepared to access the center of each part. [Fig 6 to 18 from Mizutani K, et al. Novel flapless esthetic procedure for the elimination of extended gingival metal tattoos adjacent to prosthetic teeth: Er:YAG laser micro-keyhole surgery. J Prosthodont Res. 2022; 66(2): 346-52; with permission. © copyright (2021) Japan Prosthodontic Society. Published by Elsevier Ireland]
51歳,女性で歯肉の審美障害を主訴とした症例で,具体的な術式を示す.治療機器は接触照射用の歯科用Er:YAGレーザー(Erwin Adveal EVO) モリタ社製)を用いた.まず始めにメタルタトゥー部中央の上皮に,400もしくは600 μmの石英製コンタクトチップ(Fig.7)を用いて1~2 mm程度の穴(micro-keyhole)をあけ,micro-keyholeに対して垂直方向にコンタクトチップを当てながら,この段階で視認できる結合組織内の金属片および周囲の着色組織を蒸散させていく(Fig.8).その次にmicro-keyholeに対してアンダーカットを形成するようにコンタクトチップの角度を変え,側壁の金属片および着色組織を蒸散させていく(Fig.9).上皮組織を可能な限り温存し,micro-keyholeを不用意に拡大しないように注意しながら照射を進める.その際コンタクトチップを適宜抜き差しし,Er:YAGレーザーの注水機能を用いて照射はせずに注水のみを行うことで術野を洗浄し,顕微鏡の角度を変えて様々な方向からmicro-keyhole内を観察するなどの工夫により,金属片および着色組織の取り残しを最小限にすることができる.金属片および着色組織の除去が終了したら,micro-keyhole内が血液で満たされるのを待ち,表層をデフォーカス照射し血餅を凝固させる(Fig.10).デフォーカス照射の際は,パネルセッティングで60~80 mJ/pulse,10~20 Hzとし,非注水でコンタクトチップ先端を組織から1 cm程度離して照射を行う.血餅を凝固させることで,創部の安定性が高まり創傷治癒が促進される.EL-MIKSによる侵襲は非常に小さいため,術後の抗菌薬や鎮痛剤の投薬は必要ないことが多い.

Laser apparatus and photographs of the surgical field under a microscope during Er:YAG laser micro-keyhole laser surgery (EL-MIKS).
Er:YAG laser irradiation with coaxial water spray for cooling of the lased area through a cylinder-shaped curved contact tip (diameter 400 μm). Bar: 10 mm.

A keyhole with a 1–2 mm diameter was prepared in the center of the pigmented gingiva using an Er:YAG laser (20 Hz, 80 mJ) with a thin contact tip and coaxial water spray.
Magnification: 12.5x; bar: 1 mm.

Carefully evaporate the accessible metal pieces and the discolored connective tissue surrounding them through the micro-keyhole.
Note that some of the eliminated metal pieces can be observed (arrowheads). To see the inside, the marginal gingiva of the keyhole is retracted with a periodontal probe (asterisk). Magnification 20x.

Immediately after the first session, discoloration was partly eliminated by laser irradiation through the micro-keyhole.
Magnification 20x; bar: 1 mm.
1箇所のmicro-keyholeからアクセスできる範囲は限られてしまうため,広範囲への処置においては複数のmicro-keyholeを設定する必要がある.複数のmicro-keyholeが近接する位置にある場合は一度に全ての除去を試みると血流供給が阻害される場合があるので,1ヶ月程度の間隔をあけて歯肉の治癒を待って,複数回に分けて処置を行う(Fig.11~18).

Er:YAG laser micro-keyhole laser surgery (EL-MIKS) on metal tattoos in multiple teeth.

The patient was a 51-year-old female with mild periodontitis and metal tattoos in the interdental gingiva of #22 to #25 (FDI tooth notation).

Two weeks after subgingival scaling and root planing, we performed the first procedure using a microscope and Er:YAG laser (Erwin Adveal, Morita Inc., Japan) under local anesthesia.
A part of the pigmentation of each tattoo was treated through four micro-keyholes in the first session.

One month after the first session.

The pigmentation residual parts were removed through three micro-keyholes.

One month after the second session, the gingival pigmentation had completely disappeared.
Although slight gingival recession was detected in #22, this gradually restored.

Two years after the second session, the gingival color has been maintained.

The gingival pigmentation has completely disappeared, and the esthetics have improved.
The patient was esthetically satisfied with the treatment.
レーザーを用いた歯肉の色素沈着除去による審美性の回復の有効性については,多くの報告がなされてきているものの,術式およびアウトカムの評価方法が確立されておらず,各種レーザーや術式の違いを比較することが難しいのが現状である.今後,色素沈着部位の定量的な評価や,除去効率,除去術に伴う疼痛や不快感27),術後の審美性など多面的な評価方法を確立し,より低侵襲で高効率な治療法の検討を行う必要があると考えられる.
利益相反なし