2025 Volume 46 Issue 1 Pages 12
今日,レーザーやLEDなどの各種光線が歯科臨床において様々に応用されています.歯科は,顔貌に大きく関わる重要な領域であるため,病的な要因あるいは先天的な要因により歯や歯周組織に生じた欠陥や異状などの治療において,審美性の改善や回復が非常に重要な要素となっています.
今回は,歯科の審美治療におけるレーザーやLEDの光線応用について,日本レーザー医学会誌で特集を組ませていただき,長年,第一線で研究や臨床に携わり,歯科の審美治療における光線応用に精通している4人の先生方に,レーザーやLEDの臨床応用の現状や最新の応用などについて,解説をお願いしました.
まず,永井茂之先生には,「レーザーを使用した歯科の審美治療」として,審美歯科の総論と,さまざまな審美治療における各種のレーザーの応用について解説いただきました.
水谷幸嗣先生には,「Er:YAGレーザーによる最小侵襲の歯肉審美治療」として,歯肉のメラニン沈着やメタルタトゥーの除去におけるEr:YAGレーザーの応用について,メタルタトゥーの新規除去法も含めて詳細にご説明いただきました.
大槻昌幸先生には,「歯科の審美治療―歯のホワイトニング―」として,歯の変色に対するホワイトニング(漂白)治療の総論と,LED応用によるホワイトニング効果の促進について解説していただきました.
最後に,津久井 明先生には,「Er:YAGレーザーによる根面被覆(半月弁切開移動術とエンベロープ法)への応用」として,歯肉の退縮により露出してしまった歯根面の,歯肉による再被覆外科治療におけるEr:YAGレーザーの効果的な応用についてご紹介いただきました.
今回,このような素晴らしい総説をご執筆いただきました4名の先生には,この場をお借りして厚く御礼を申し上げます.本特集が,歯科,医科および光工学の分野の研究者,臨床家,企業の皆様にとって有用な情報となれば幸いです.