昭和医学会雑誌
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視覚障害児・聴覚障害児の形態発育に関する研究
その2: 視覚障害児・聴覚障害児の周囲径, 皮下脂肪厚及び周囲径比について
新立 義文猪口 清一郎沢田 芳男
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1987 年 47 巻 1 号 p. 69-79

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抄録
熊本県の盲学校及びろう学校の児童・生徒男女6: 歳から18歳までの323名の周囲径及び皮下脂肪厚の加齢発育の傾向について検討し, 次のような結果を得た.1.周囲径: 上腕囲, 前腕囲, 大腿囲及び下腿囲について検討した.普通児と比較すると, 視覚障害児, 聴覚障害児とも男子では差が認められなかったが, 女子では上肢の発育が普通児に比べて劣性であった.2.皮下脂肪厚: 上腕背部, 肩甲下部, 臍部, 腸骨棘部で検討した.体幹では視覚障害児の方が聴覚障害児よりも脂肪沈着顕著で, ことに女子の第二次性徴期以降で著しかった.3.周囲径比: 上腕囲/前腕囲比ならびに下腿囲/大腿囲比を検討した.上腕囲/前腕囲比は普通児に比べて, 視覚障害児, 聴覚障害児とも男子では第二次性徴期に大, その後は差が見られなかった.女子では一般に視覚障害児は小, 聴覚障害児は大であった.また, 下腿囲/大腿囲比は普通児に比べて, 視覚障害児では第二次性徴期以降, 男子は小, 女子では大であったが, 聴覚障害児では一般に男子は小, 女子では差がみられなかった.
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