昭和医学会雑誌
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悪性腫瘍における血中β2-Microglobulinの臨床評価
明石 實次, 鵜沢 龍一, 高木 康, 五味 邦英
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1987 年 47 巻 3 号 p. 393-398

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抄録
担癌生体の血液, 体液中に出現する微量物質いわゆる腫瘍マーカーの一つとして血中β2-microglobulin (β2m) の診断的有用性について検討した.β2mは腎機能障害時にも血中に増加するため, 腫瘍マーカーとしての評価には腎機能障害による影響を除外する必要がある.ネフローゼ症候群, 慢性糸球体腎炎, 慢性腎不全などの腎疾患時に血中β2mは血中creatinine (Cr) と極めて良好な相関で挙動した.このため, 血中β2m単独, β2m/Crの両者の悪性腫瘍診断上の有用性を悪性腫瘍128例につき検討した.この結果, 悪性腫瘍診断上の感度は血清β2m単独では72%, β2m/Crで73%と大差ないが, 特異性はβ2m単独では52%であるのに対し, β2m/Crでは93%と格段と改善する.同時に測定した他の腫瘍マーカーであるAFP, CEAの感度は各々31, 50%であり, β2m/Crはこれらより一層優れた指標であることが確認された.また, β2m/Crは悪性腫瘍の原発臓器および組織による特異的な有意差は認められず, 原発性肝癌のAFP, 消化器癌のCEAのごとき特異性は認められなかった.またβ2m/Crは, 胃癌, 大腸癌での各stage分類間にも有意差 (P<0.01) は認められなかった.
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