昭和医学会雑誌
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膝半月板損傷に対する関節造影の診断的意義 ―手術所見との比較検討―
堀江 正浩
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1989 年 49 巻 4 号 p. 331-337

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抄録
膝半月板損傷の重要な診断法のひとつに関節造影がある.しかし, 造影された画像を正しく読影するにはある程度熟練を要する.今回半月板単独損傷として手術された54例の, 術前関節造影所見と手術所見とを比較し, 読影時どんな点が見誤りやすいかを, 内側半月板と外側半月板との差, あるいは断裂型による差などについて検討した.54例のうち, 誤読もしくは判読困難な例は9例あった.その判読困難な例は, 断裂面が複雑な形態を示す場合 (バケツ柄状断裂, 縦断裂) と, 逆に断片があまり転位しない場合 (半月辺縁剥離) とにみられた.画像の診断率を高めるには, 造影法と読影法の画一化が重要である.
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