生体医工学
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抄録
AIPと健康寿命の延伸
早野 順一郎
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2015 年 53 巻 Supplement 号 p. S103_03

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抄録
人口高齢化は文明国の成熟像であり、全ての先進国は高齢化に対応する恒久的なシステムが求められる。エイジング・イン・プレイス(AIP)と健康寿命の延伸は、その鍵となる概念で、前者は年齢を重ねてもその人らしくそこで暮らし続けられる社会づくりを、後者は人の助けを借りずに自力で生活ができる人生の期間を伸ばして平均寿命との差(介護の必要な期間)を短縮する活動や政策を指す。これらの概念が、従来の保健・医療・福祉モデルと最も異なる点は、健診・受診・受療を基盤とする受け身的な健康管理モデルから健康の自己管理モデルへの移行にあり、それは「健康」の定義そのもののパラダイムシフトにつながる。つまり、従来の「正常な検査結果」あるいは「病気が治ること」としてのホメオスターシス理論に基づく健康から、「環境や状況に適応できること」、「適応状態を持続できること」としてのアロスターシス理論に基づく健康への移行である。そしてこの移行は、生体のモニタリング、モデリングと予測、制御・誘導の技術革新と社会実装を前提としており生体医工学が大きな役割を担っている。
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© 2015 社団法人日本生体医工学会
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