2015 年 53 巻 Supplement 号 p. S105_02
受動歩行ロボットは,モータ,センサおよび制御を一切用いずに,緩やかな下り坂を歩くことができる.このとき,重力効果のみによって,遊脚膝が自然に曲がり,脚の振り抜きが行われる.無動力歩行支援機ACSIVE(アクシブ)は受動歩行由来であるため,あらかじめ脚軌道をプログラムする必要がなく,またヒトが随意的に指令を出す必要もない.普段通りに歩くだけで,振り子の動きとバネの力で脚の動きを整える.支持脚期後半に弾性エネルギーがバネにチャージされ,遊脚期前半にアシストに利用される.足が軽くなる感じで歩き易く,歩行スピードも上がる.エネルギーを外部から投入せずともエネルギーを上手く再配分することで,自らの力で自らを支援できる.シンプルな歩行支援機ACSIVE(2014年9月発売)に出会うことで歩行支援が身近になり,生活の中での利用が始まった.歩行が弱った人の日常生活やアクティブシニアの歩くレジャーなどのシーンでも利用できる.フレイル予防は非常に重要であり,ACSIVEがその一助になれば幸いである.