抄録
1977 年のコンピュータ利用技術の展示会で3D-CAD システムを操作し、3 次元形状を記述するデータを記憶しているシステムと人とのインターフェースが2次元のCRTに限定されていることへのまどろっこしさを体験し、3 次元形状を記述するデータに従って3 次元形状(従って立体物)を3 次元のまま出力する端末装置の必要性を自覚した。その端末装置を実現できれば、3 次元測定器、人体の断層撮影結果等の表示にも利用できる汎用性を持つことを意識した。1980 年の印刷機械の展示会で、感光性樹脂を利用して活字パターンに従った凹凸パターンをもつ平板(新聞印刷用の版下)を製造する過程を見学したとき、その版下作成技術を利用するとデータが記述する3 次元形状を備えた立体物を造形できるという着想を得た。実証実験に取り組み、光ビームの照射位置の制御によって任意形状の立体物の造形が可能であり、3次元形状の出力装置となり得ることを確認した。
学会・論文等で発表したが、当時はその技術の有用性が評価されず、技術の有用性に関する自信を無くし、特許を取得する価値を見失った。その後に光造形技術が米国で実用化され、日本でもその技術の価値が評価されるに至った。日本で誕生した技術が米国で実用化されて日本に輸入されることになった経緯を報告する。光造形以外の3Dプリンティング技術についても日本で生み出されながら米国が特許を取得してしまった経緯も報告する。