2016 年 54Annual 巻 27PM-Abstract 号 p. S199
ヒトの二足歩行に関する神経基盤は,主に計測上の制約からこれまで研究が進んでいない.本研究ではまず,MRI環境で使用可能な非磁性下肢運動装置を開発した.次に,ファントムを用いて,fMRIで用いられる高速撮像法において画像への影響がほとんど見られないことを,装置無し,装置静止時,および装置稼動時の比較によって確認した.次に,MRI内に被験者を入れて実際に計測を試みた.レスト時と下肢運動課題時を比較した場合,足の領域に相当する運動野背側部の領域が広く活動することが観察された.本装置はヒトの下肢運動に関する神経基盤の研究を始め,リハビリテーションの評価などに使用可能であると考えられる.