生体医工学
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抄録
介護スタッフ・高齢者の思いを記録するコト・データベースの開発
三輪 洋靖渡辺 健太郎西村 拓一
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2016 年 54Annual 巻 28PM-Abstract 号 p. S332

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抄録

国内では2012年に高齢者の15%,約462万人が認知症であり,今後も増加が予想されている.これに対し,介護サービスでも,トレーニングやイベント,生活における工夫などの認知症予防,認知症対策が積極的に行われている.特に,グループホームでは少人数の認知症高齢者が介護スタッフと相互に協力しながら共同生活しており,12,000施設以上がある.しかし,一部の高齢者は,介護スタッフと良好な関係性を構築できず,施設内で孤立したり,高負担になる場合がある.そこで,本研究では,認知症によって短期記憶は困難になるが,感情の記憶は残りやすいことに着目した.そして,高齢者のQoLの向上,介護負担感の軽減を目指し,過去の記憶だけでなく,現在の生活での様々なバーバル,ノンバーバル情報を記録,統合することで,高齢者が幸せを感じる記憶の形成を補助するシステムの構築を目的とした.本発表では,記憶形成の補助システムのベースインフラとして,介護記録や介護スタッフによる気付き,介護スタッフの行動,高齢者の生活やそれに伴う感情について,スマートフォンやタブレットデバイス,ロボット,施設内に設置されたセンサで収集し,それらを統合して分析,可視化ができるコト・データベースの開発について報告する.

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© 2016 社団法人日本生体医工学会
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