2017 年 55Annual 巻 3AM-Abstract 号 p. 148
ディスプレイ技術の進歩により、壁や天井、床など身の回りのどこにでも、好きなように映像を表示可能な環境が整いつつある。こうしたディスプレイ技術は公共の場所や商業施設などでガイダンスや広告などが目的で利用されているのが現状だが、将来的にはより多くの施設や一般家庭内にも普及すると予想できる。そこで本研究では、このような映像表示技術、特に壁面ディスプレイが一般に普及した時に、医療福祉分野においては健康づくりのための運動支援プログラムの提供が有効ではないかと考えた。プレイヤー身体の動作を検出しフィードバックすることで、楽しみながら運動できるようにする考えは従来からあり、ウェアラブルデバイスやスマートフォン、安価なヘッドマウントディスプレイの普及などにより様々な試みがなされているが、身体と同じサイズ、位置関係で表示できる壁面ディスプレイは、これらとはまた違ったユーザエクスペリエンスを提供することができる。具体的には壁面ディスプレイに表示された仮想のオブジェクトと、プレイヤーが直にインタラクションできるものを目指している。本報では、プレイヤー身体動作の検出にKinectを用い、超短焦点プロジェクタで構築した壁面ディスプレイと組み合わせた実験的プログラムによる、四肢の筋電図と加速度の計測結果を報告する。