生体医工学
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抄録
短下肢装具設計支援システムの開発 -下肢形状と短下肢装具形状の計測評価-
河村 太樹東江 由起夫大塚 博大西 謙吾
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2017 年 55Annual 巻 3AM-Abstract 号 p. 154

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抄録

片麻痺患者のリハビリテーションで使用される短下肢装具の一つにシューホーン型短下肢装具がある.この装具は,装着時の適合性を高めるため,陽性モデルと呼ばれる患肢の形状を基に作られた石膏モデルに修正を行う.修正は義肢装具士の手作業で行われているため,作製には時間がかかり,装具の適合性も義肢装具士の経験に左右される.本研究では義肢装具士の技量によらず短期間で適合性の高い装具の製作が可能な短下肢装具設計支援システムの開発を目的とした.本年度は,短下肢装具の製作工程の定量化を行うため,修正前後の陽性モデルを3Dスキャナーにて測定し,得た点群データを比較評価した.矢状面への投影した下腿のつま先,第一中足骨頭,内果,下腿上端の各点をスプライン補間する曲線を下腿モデルの中央に描き,この曲線に垂直な断面上の点群データを求める.さらにこの点群データを極座標形式に変換してスプライン近似した曲線群を用いて形状を評価した.断面積の差を算出することによって修正前後の修正量の評価が可能となった.また,陽性モデルに描かれた短下肢装具生成に用いるトリムラインの各断面上の位置を確認することが可能となった.今後はトリム位置の定量的評価を行い,装具形状生成手法の考案を行う予定である.

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© 2017 社団法人日本生体医工学会
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