生体医工学
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抄録
手術支援5軸鉗子マニピュレータを示指で操作する手元スイッチインタフェースの開発
河合 俊和大津 湧西川 敦西澤 祐吏中村 達雄
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2017 年 55Annual 巻 3AM-Abstract 号 p. 183

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内視鏡下手術の支援に向け,執刀医が両手に術具を持った状態で5軸鉗子ロボットの直感的な操作が可能となる,手指で操作するon-off手元インタフェースの研究を進めている.手術に集中しつつ鉗子ロボットを操作するには,より簡便なスイッチ操作が必要である.すなわち,1本の指で5軸を操作することが求められる.そこで,示指で軸の選択と操作を行うインタフェースを考えた.本研究では,示指で軸操作/選択する5軸on-off手元インタフェースを提案する.鉗子を保持した左手の示指1本で軸操作と軸選択の2個のデバイスを操作する方法を考案し,5種類の操作デバイスを候補にして,可変式・バネ固定式・クリップ固定式の各インタフェース装置形状を検討し,鉗子長軸に対する手前と奥のスイッチ取り付け面を検討した.専門医による予備実験を経て,クリップで装着する鉗子長軸の奥面に配置したタクタイルスイッチで軸選択し,2自由度アナログスティックまたは1自由度トグルスイッチで軸操作するインタフェースを設計試作した. これまでに開発した手元操作インタフェースを含めたタスク実験を行った.本試作機に対しては実験参加者の所要時間がトグルスイッチ式で198±21s,アナログスティック式で153±12sであることから,後者の有意差を確認した.また,これまでに開発したインタフェースと比較して所要時間に有意差はないこと,安心感,疲労感,操作性が優れていることを確認した.

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© 2017 社団法人日本生体医工学会
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