生体医工学
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抄録
小児用肺動脈弁葉挙動評価のための加振試験系の構築
坪子 侑佑白石 泰之山家 智之
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2017 年 55Annual 巻 3PM-Abstract 号 p. 233

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抄録

小児先天性心疾患に用いられる延伸ポリテトラフルオロエチレン(ePTFE)製肺動脈弁付導管が広く用いられるようになっている。ePTFE弁は、扇状のePTFE製弁葉と、同じくePTFE製導管から構成され、弁基部の導管壁面には生体のValsalva洞の構造を模したbulging sinusが設けられている。本研究では、ePTFE弁のさらなる性能向上を目的として右心の低圧環境下での弁葉挙動を詳細に観察・評価可能な新たな弁葉挙動試験系の構築を行った。リニアアクチュエータ、弁葉固定導管部、リザーバからなる加振試験系を構築し、弁葉形状評価のため0.1 mm厚のePTFEシートより形状の異なる2種の弁葉モデルを作製した。アクチュエータの加振は変位量、速度、加速度を任意に調整することができ、リザーバ底面に設置した高速度ビデオカメラによって加振時の弁葉挙動を取得した。構築した加振試験系を用いて2種の弁葉モデルでの挙動観察が行えた。弁尖部形状は閉鎖時の弁尖接合の状態を改善させる有効なパラメータである可能性が示唆され、本研究の展開によりePTFE弁の形状最適化が行いうる。

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© 2017 社団法人日本生体医工学会
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